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民医連新聞

民医連新聞

全国から医師つどい討論 医師の確保と養成に関する全国会議

 臨床研修制度の激変の中で民医連の医師をどう確保するか。全日本民医連は六月五~六日、静岡県伊東で「医師の確保と養成に関する全国会議」を開きました。

 会議の目的は、(1)情勢をつかみ、果たすべき役割と課題を共通認識にする、(2)総会で方針化し た「八つの重点課題」を柱にした民医連の医療活動を担う医師づくりを進める、(3)医学対活動と医師研修のあり方論を創造的に議論し「オール民医連」での 医師養成を具体的に進める画期とする、の三点です。医師一〇一人を含む二〇八人が参加し、率直に現状や意見を出し合いました。
 最初に増田剛医師部長が問題提起。「ドクターウエーブで、医学部定員増を勝ち取ったが、医療崩壊は進行している。民医連では研修医が減り(下図)、医師総数も減少に転じた。臨床研修制度の改変で、民医連の中小の研修病院はおそらく外される。いま、民医連の医師養成のあり方を転換する必要がある」とのべました。
 そして、「たとえ減らされても研修希望者を全員受け入れられるよう、『オール民医連』の立場で、すべての病院でフルマッチをめざし、可能な病院は定員増 に挑戦しよう。協力型となってしまう病院も、県連や地協の枠を超えた今までにない新しい連携をすすめよう」と提起しました。
 山本一視医師研修委員長と柳沢深志医学生委員長もそれぞれ後期研修と医学対活動について補足の報告を行いました。
 記念講演は横浜市立大学の中西新太郎教授。「生きづらさの時代の若者たち」と題し、医学生・研修医を含めた今の若者の厳しい人間関係、精神状態を解説し ました。そして彼らに働きかけるには、押しつけ型ではなく、まず話をよく聞くこと、彼らの興味関心に沿ったアプローチが大切と話しました。
 その後の分散会では、研修をすすめる上での民医連内外の病院との連携や、「オール民医連」での医学対・医師養成における課題を話し合いました。民医連で の給与や待遇の統一、距離の問題や指導体制の問題なども出されました。
 二日間の議論を受けて増田部長がまとめの発言を行いました。「民医連全体の後期研修を可視化することが必要であり、現在『後期研修ガイドブック』を作成 中だ。これを使い医学生や研修医に語っていこう。また『全国研修センター的な機能』をつくることも検討している。後期研修は、民医連の後継者、私たちの仲 間を総力で育て上げること。民医連のフィールドを生かし、総合性をもった専門医と家庭医・総合医をバランスよく育てよう」とのべました。今会議について は、「問題提起に応えた活発な議論ができた。これを今後の会議で深めて実践に結びつけていきたい」と語りました。

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(民医連新聞 第1480号 2010年7月19日)