「若いころから症状が」 水俣病検診 大阪民医連
【大阪=横山健通信員発】当県連では一一月二九日、のざと診療所で水俣病検診を行いました。職員は医師三人のほか、看護師、医療相談員など約二〇人と、弁護士や医学生も参加しました。
この日の受診者は約二〇人。愛知や長野からも、検診のことを聞きつけ参加した人がいました。
夫婦で受診したAさん(七〇代)は、水俣市近くの町で生まれ、魚をよく食べていました。最初の異変は一三歳、手足に力が入らなくなり高熱が続きました。 治療と温泉療養の結果、約一年後には野球ができるまでに回復。しかし年齢とともに手足の冷感や耳鳴りがすすみ、地元の親戚からの紹介で検診を受けました。
問診と診察の結果、年齢や持病では説明できない水俣病特有の障害があることがわかりました。Aさんは「大阪に来てから水俣病を知った。もう年だし、あき らめていたが、自分の状態がはっきり証明されてよかった。今日の検診を知り、腰痛の手術を待っていた。保健手帳の申請を考えている」と話しました。
この日は、数人が水俣病の疑いと診断されました。公害病被害を明らかにし、被害者救済のためにも、当県連では検診を続けていく予定です。
(民医連新聞 第1469号 2010年2月1日)