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民医連新聞

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ひと・いのち まもる京都府政へ 地域医療を守れ 笑う門(もん)には福来たる 京都民医連第二中央病院院長 門 祐輔(もん ゆうすけ)さん決意

 「ひと・いのちが大切にされる京都府政を」。新年の一月二日朝、青空が広がる北野天満宮前で訴えが響きました。四月一一日投票の 京都府知事選挙に立候補を予定している、京都民医連第二中央病院の門祐輔院長です。現知事は小泉構造改革を支持し、医療や福祉サービスを切り捨て続け、二 〇〇五年には府立洛東(らくとう)病院を閉鎖、全国の自治体病院つぶしの先陣を切りました。この流れを何とか変えたいという府民と医療者の期待が集まって います。(佐久 功記者)

 「私は医師として、毎日病院で仕事をする中で、病気は治ったけど行き場がないという方をたくさ ん見ています」と訴える門さん。お金が払えない人の相談にものり、医療が受けられるように努めてきました。中にはお金がなくて受診を控え、やっと来院した ときには、すでに末期のがんだったという人も。こういうくやしい経験から、門さんは「人がモノのように切り捨てられ、困難をかかえた人たちが次から次へと あふれるように出ている。政治や制度を変えていかなければ問題は解決しない」と、思いを語ります。
 平安神宮前の宣伝には、民医連の職員二〇人以上、全体で約五〇人が参加。職員の河合英利さん(京都民医連第二中央病院・ケアマネジャー)は、府の高齢者 の入所施設の整備計画が三割しか達成していないことや、介護保険の運用の問題を指摘し、「知事を代えて使いやすい介護保険制度にしよう」と訴えました。

深刻な医師不足

 京都でも医療崩壊は深刻です。門院長は医師不足の中で踏ん張っている府内各地の病院長らと懇談を重ねています。
 「驚いたのは、北部には開業医がほとんどいないこと。例えば、六つの町が合併してできた京丹後市。旧弥栄町(やさかちょう)には病院が一つだけで、開業 医は一人もいません」と門さん。府北部の広大な面積に点在し、医療をささえる公的病院をつぶしてはなりません。
 南部もたいへんです。人口七〇万人の地域で、公的な総合病院は一つしかなく、平日夜間の小児救急を担っている病院は実質二つしかありません。
 今の府の医師政策は、府立医大病院だのみです。「毎年一〇〇億円かけているのだから、もっとがんばれ」と、お金を出すだけ。しかし新臨床研修制度の導入後、同大学でも医師は足りません。
 「だから、大学、公立、民間のあらゆる病院・医師が“オール京都”で考えていけるよう医師会ともいっしょに府の医療対策協議会で議論し、適正な医師配置 や医師養成を行政が責任を持つべきだ。国にもはっきりと意見を言うべきだ」と、医療再生に向ける熱意を話しました。

何とかしなあかん

 初詣を兼ねて宣伝に参加した山田美智子さん(京都民医連第二中央病院健康友の会・副会長)は、 「友の会で地域訪問をすると、窓口負担が三割なので受診を控えている六〇代の人や、老老介護で限界という人など、本当にたいへんです。門先生は弱い人の立 場をわかる人。ぜひ知事になってほしい」と語りました。
 「民主府政の会」から立候補の要請があった時、「医師不足の時でもあり、非常に悩んだ」と言う門さん。しかし「京都の医療を何とかしなあかん」という思いもずっとあり、決意しました。
 一月からは診療からもはずれ、候補者としてフル活動を始めています。全国の民医連に医師支援も要請しています。投票日まで、あと三カ月。京都府を変える大きなたたかいが始まります。

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(民医連新聞 第1468号 2010年1月18日)