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民医連新聞

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キラリ民医連の医療・介護 「住みなれた自宅で」老認介護ささえる 福岡・小規模多機能ホーム「いまやまの家」 時 義晴(介護士)

開設してから三年を迎えた「いまやまの家」は、一日の利用可能数は最大一二人、ショートステイ四人、緊急時五人で、「通い」「泊まり」「訪問」を活用し、二四時間・三六五日の認知症ケアに努めています。家族との関わりも重視しています。
 レビー小体型認知症のAさん(八 四、女性)は、二〇〇二年ごろから徘徊行動が出始め、キーパーソンである夫の介護疲れも目立ち、当施設を利用するよう になりました。Aさんは当初、掃除や簡単な調理などの家事をこなせていましたが、次第に困難になりました。でも、「お父さんといっしょに過ごしたい」との 思いがあり、夫も「自分の体が許す限り、自宅で面倒みたい」との希望を持っていました。
 そこで、「泊まり」と「通い」を組み合わせ、週三日はデイ利用、四日はショートステイ利用としました。
 重視したのは、利用者の意思を尊重することです。食事も一から介助してしまうのではなく、Aさんの「食べること」への認識を促すことから始めました。ト イレ誘導も定期的ではなく、本人のサインを見ながら「行こか、行こか」と、こまめに声をかけ、誘導するなどです。また、Aさんのデイ利用時は朝・昼・夕の 三食を施設でとり、パジャマ・オムツの更衣を済ませて帰宅してもらい、夫にも栄養面を考慮した弁当を宅配しています。
 いまもAさん夫婦は、長年の絆を深めながら、自宅で過ごしています。就寝前に服薬させることは夫の役割となっており、夫にとっても有意義な時間です。夫 の休暇日を設けることができ、夫の体調も以前より安定してきました。
 “老認介護”で在宅生活を継続するには、利用者の周りの人への支援も重要です。当施設では、ライフサポートプランの活用も始めています。それは、本人、 家族、介護者、地域などの様子を書き込み、介護に役立てるものです。
 Aさんと夫に「次はこうしたい」という希望を出してもらい、いっしょに実現していきたいと考えています。

(民医連新聞 第1467号 2010年1月4日)