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民医連新聞

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さよなら障害者自立支援法 憲法にもとづく新法めざす 10・30大フォーラム

 「さよなら! 障害者自立支援法、つくろう! 私たちの新法を!」を掲げ一〇月三〇日、障害者と支援者一万人以上が東京・日比谷 野外音楽堂を埋め尽くし、あふれました。長妻昭厚生労働大臣などがあいさつ。政党シンポジウムが民主・社民・共産三党の出席で行われ、自立支援法廃止後の 新法のあり方について意見交換しました。

長妻大臣 「廃止」を明言

 主催は日本障害者協議会、全日本ろうあ連盟などがつくる「10・30全国大フォーラム」実行委員会です。
 自立支援法に反対する全国集会は、二〇〇五年七月「緊急大行動」が出発点。法の施行後は、二〇〇六年「出直してよ」、〇七年「今こそ変えよう」、〇八年「もうやめよう」を掲げ、続けられました。
 今集会で、長妻昭厚労大臣は「自立支援法は廃止する。四年間で応益負担を応能負担に切り替える」と明言しました。それを受けた政党シンポのテーマは、 (1)自立支援法の評価、(2)新法の基本視点と内容のポイント、(3)新法のつくり方(障害者の権利条約のレベルが守られるか、当事者参加が保障される か)などです。
 司会の藤井克徳さん(日本障害者協議会)は「政治が変化したが、まだ安心できない。最後に大きな岩があるかもしれない。最も深い理解と知識をもつ三人の 議員に聞きたい」とのべ、石毛えい子(民主)、阿部知子(社民)、高橋千鶴子(共産)の各議員を紹介しました。

最大の問題は「応益負担」

 まず、当事者と研究者が自立支援法の「問題」を列挙しました。
 (1)「応益負担」が障害を「自己責任」「家族の責任」にしたこと。たとえば、手話は言語で、コミュニケーションは人の権利。手話通訳は無料であるべき なのに、福祉サービスとして料金(負担)を課されている。(2)障害者を「否定される命」に逆戻りさせたこと。(3)福祉労働者の育成に壊滅的ダメージを 与えたこと。(4)介護保険と似た「しくみ」を導入して利用を制限したこと。(5)制度の谷間でサービスが受けられない人がいることなどです。

障害者総合福祉法を

 石毛議員は「日本では障害者・女性・高齢者に所得保障がない。その人たちが応益負担で苦しんで いる。排除する社会でなく連帯する社会にしたい。同法の廃止後は、障害者総合福祉法をつくる。制度改革推進本部ですすめ、委員会の半数は障害者か密接な関 係者にする。内容は障害者の権利条約の具体化だ。これは約束できる」と発言しました。
 阿部議員は「障害者が普通に生活することを利益という考え方はおかしい。施設の報酬は日払いでなく月払いに戻し、雇用を確保する。障害者が『そよ風のよ うにまちに出る』ことを実現させたい。障害者差別をモニタリングする部署を都道府県につくる」と発言。

憲法にもとづく新法を

 高橋議員は「応益負担は憲法違反だ。『普通の道を車イスで通ることに、高速道路を通るような負担を 求めるもの』という批判に賛同する。憲法にもとづく総合的障害者福祉法をつくり、福祉分野の労働者の待遇を含めて国や自治体が責任をもつべきだ。障害者の 定義も、難病や発達障害など生活を妨げる条件を抱えた人全体に広げるべきだ。新法ができるまでの措置として、負担の軽減と、報酬の月払いを提案する。財源 は軍事費や政党助成金、大企業への行き過ぎた減税をあらためて確保すべきだ」とのべました。

(民医連新聞 第1464号 2009年11月16日)