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民医連新聞

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少人数だが役割大 全日本民医連 産婦人科医が交流

 全日本民医連は九月二六~二七日、初の産婦人科医師会議を東京で開催し、産婦人科医一七人をはじめ、県連医師委員長や事務幹部な ど二七人が参加しました。民医連の産婦人科医が集まるのは二〇〇四年の第一三回産婦人科研究会以来五年ぶり。「地域の産科崩壊」が言われる中、民医連の産 婦人科は少ない医師で多くの分娩を取り扱い、奮闘しています。〇六年に発足した産婦人科プロジェクトが行った「民医連産婦人科調査」も報告されました(詳 細『民医連医療』六月号)。

shinbun_1462_02 「民医連における産婦人科の展望」について産婦人科プロジェクト委員の平岡友良医師が提案しました。
 民医連の分娩取り扱い施設は一九九五年には三三施設、常勤医師は八九人でしたが、〇六年調査では二七施設、六九人に減少。
 全国的にすすむ産婦人科医の減少の背景に、周産期死亡率などが国際的にトップ水準になり、「お産は安全で当たり前」「何かあれば医療ミス」という雰囲気 が生じ、産婦人科医が長時間労働や拘束を強いられる一方、医療訴訟が増加し、医師が逮捕された大野病院事件の影響もあります。

「活動に確信もとう」

 女性のライフスタイルが変化し、高齢妊婦、合併症妊婦、飛び込み出産などが増えています。民医 連の産婦人科は、こうした状況でも奮闘し、社会的な困難を抱えた妊産婦に寄り添い、社会資源を活用するなど、女性の人権を守る活動の先頭に立ってきまし た。しかし、一事業所あたりの産婦人科医が少なく、他科との接点が少ないため、医療内容や苦労が経営幹部の理解を得にくい面があり、孤立感もあります。
 平岡医師は「今までの活動に確信をもち、今後の産婦人科のあり方を考えていく必要がある。民医連の綱領を実践していくために産婦人科医療は重要な役割を 果たしている。地域の要求と医療の総合性からみて、民医連が産婦人科・小児科を継続することは必要で、女性や子どもの人権に視点をおく医療の発展や、地域 保健の向上にも不可欠。また、研修医の中にも産婦人科志望者は一定数あり、女性医師への配慮や労働条件の整備などが課題」とのべました。

労働条件の改善にむけ内外への発信を   

 産婦人科プロジェクト委員の舩山由有子医師が「調査」の概要を報告。「民医連の産婦人科医は少 ない人数ながら、分娩だけでなく腹腔鏡手術、がん治療などにとりくみ、研修にも対応できる水準を備えてきた。『仕事が生きがい』という医師が四割を超える 一方、疲弊感や孤独感もある。いま踏みとどまっている医師のためにも、若い医師を迎えるためにも、労働条件の改善が急務で、民医連の内外へ発信していくこ とが必要」とのべました。
 指定報告では、北海道・札幌病院の長島香医師と宮城・坂総合病院の舩山医師が自院のとりくみを紹介しました。二人とも、「不採算と思われがちだが決して そうではない」と数値をあげて説明しました。個室化でお産件数が増加したこと、無料・低額診療の安心感、心の通う医療・コミュニケーションの大切さ、研修 医を受け入れ後継者ができたときの喜びなどを語りました。
 交流会では、若い医師のさまざまな質問に先輩医師が答える中で、お互いに励まし合って仕事を続けていくこと、法人や県連に意見・提案を積極的に出していくことの大切さなどが出されました。

(民医連新聞 第1462号 2009年10月19日)

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