風化してしまう戦争体験を語り継ぐために 尼崎医療生協
【兵庫発】当医療生協は八月一九~二一日に平和のための戦争展を開きました。二〇日は「平和の大切さについて若い人たちに考えてもらおう」と、元参院議員・安武ひろ子さん(82)から戦争体験を聞きました。
議員時代から平和の大切さを訴えてきましたが、なかなか自らの体験を話せなかったそうです。それは今でも花火を見ただけでも生き地獄をさまよった六四年 前の三月一七日神戸大空襲の体験がよみがえるから。しかし、政府は憲法九条を軽視し、海外で戦争できる国にしようとしています。「まさに戦前と同じ。戦争 を知る世代がみんなあの世へ行き、いま語らなければ私の体験も消えてしまう」と危機感を覚え、決断しました。
疎開先の役所の命令で「赤紙配達人」にさせられたことを語り、「赤紙は死を言い渡す残酷なもの。戦争を『時代劇』にしてはいけない」と語りました。
会場には戦争の遺品も展示し「平和を守るには何が必要なのか」を、次世代を担う若者たちに語りかけていました。大きな学びの場となりました。(杉山貴士、事務)
(民医連新聞 第1460号 2009年9月21日)