被爆三世のアオギリとともに 広島共立病院
【広島発】六四回目の夏を迎えた広島。三年前に当院に設置した、市内で一〇番目の原爆絵碑の前で、八月六日午前八時から「平和碑前集会」を開催。一〇〇人の職員と組合員で、亡くなられた被爆者へ祈りを捧げ、平和を誓いました。平和の歌を合唱し、「ピカに灼かれて第七集」を朗読。
毎年行われる「碑前集会」。今年最大の行事は、絵碑の横に「被爆アオギリ三世の苗木」を植樹したこと。この「被爆アオギリ」は戦後被爆地から平和公園に 移植され、二世・三世と新たな生命を育み、三世の苗木が市民にも提供されました。アオギリは、被爆したのは人間だけではないことを教え、苦しみを乗り越え 生き続ける姿が被爆者の人生とも重なり、戦争の愚かさ、生命の大切さを学ばせてくれます。当院の平和のシンボルとして仲間入りしました。
高齢化する被爆者。差別や偏見に今も苦しみ、放射線による後遺症への不安など、抱える傷や苦しみの深さは計り知れません。被爆者が懸命に訴え続けてきた 「この苦しみはもう二度と体験させない」の思いを、私たちはしっかりと引き継いでいかなければならないと強く感じました。(桑原国博、事務)
(民医連新聞 第1459号 2009年9月7日)