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民医連新聞

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輝かそう生存権 憲法25条(2) 生保母子・老齢加算に代わり福祉給付金8000円を支給 北海道東川町

 北海道上川郡東川町(人口七八〇〇人)は四月から、生活保護を受ける「一人親世帯」「高齢者世帯」と「高校生がいる、一人親で住民税非課税世帯」に対し て「福祉給付金」月額八〇〇〇円(子どもは一人当)を支給しています。「生活保護の母子加算廃止は困る」という母親の訴えから、制度が誕生しました。
 母子加算は月額二万円でしたが、〇七年から縮小、〇八年度は約八〇〇〇円に、〇九年度四月からは廃止されました。全国で「憲法二五条の生存権に違反」と裁判がたたかわれています。
 東川町会議員の鶴間松彦さん(日本共産党)が町の全戸に配布している「つるま通信」。町議会報告のほか生活保護など制度の動向も伝えています。今年二 月、それを読んだ女性から鶴間議員に電話がありました。「母子加算は本当に廃止されるのですか? 困るんです」と。
 鶴間議員はすぐに松岡市郎町長のところへ。母子加算が廃止されること、困っている母親がいることを知らせて「助けてほしい。仕事があれば紹介してほしい」と話し、支援策を求めました。
 町長は「私も、一人親世帯のお母さん方が明るく元気にがんばっている姿を見ている。日ごろから応援したいと思っていた」と受け止めてくれました。当町には母子家庭の会があり、年度の総会には町長も招かれています。
 町は、条例案をつくり三月定例議会に提案。全会一致で可決され、議会の最終日にこれを盛り込んだ年度予算が可決されました。制度にかかる予算は五五人分、年間五二八万円です。
 八〇〇〇円という額は、生活保護の受給者が収入と認定されない、地方自治体からの給付限度です。これについて鶴間議員は「北海道(上川支庁)から、本当 にやるのか問い合わせがあったと聞いています。私は、北海道生活と健康を守る会連合会から国の通達などをもらい町に見せ、これをもとに話し合いを重ね、こ の額になりました」と話します。
 担当課長は「町民が苦しい生活状況に置かれているとき、町が町民の福祉、暮らしを守るという自治体の基本的な役割を発揮することが強く求められる」「老 齢加算、母子加算が廃止され、そのハンディキャップを補い(中略)激励の意味から福祉給付金を支給する」と提案説明を行いました。
 同町は六月から、さらに制度を広げました。一人親でない高校生にも、授業料の免除規定に該当する世帯であれば八〇〇〇円を支給します。町長は「お金のあ るなしで高校、大学に入るということでなく、意欲のある人が高校に行けるように支援するのが行政の役目」とのべました。
 鶴間議員は「経済的事情で高校を退学する子どもが、全国で増えているとき、こういう制度が可能なことを知らせたい」と語っています。(小林裕子記者)

(民医連新聞 第1458号 2009年8月17日)