困難に立ち向かい、看護管理者は力の発揮を 看護委員長・看護学生委員長・教務主任合同会議
五月二九~三〇日、全日本民医連は、「看護委員長・看護学生委員長・教務主任合同会議」を東京で行いました。全国から一六〇人が参加しました。
開催目的は、(1)情勢を確認し合い、今後の看護改善運動の意思統一を行う、(2)看護師受け入れ四月調査を受け、確保と養成の本格化をはかる、(3) 看護労働実態調査を活かし、働き続けられる職場づくりの方向性を探る、(4)二月に全日本民医連が発表した「看護管理者の任務と役割」の実践を推進する、 の四点です。全日本の窪倉みさ江副会長は、「『看護管理者の任務と役割』の文章にもとづいた看護をすすめよう」など方針を提起しました。
国民医療研究所と共同で行った民医連看護職員の「労働実態調査」の結果を、佐藤英仁調査員が報告しました。調査は、「看護師がなぜ辞めるのかを把握し、改善方向を探ること」を目的に実施したものです。
高い離職意識(「辞めたい」と思ったこと)があること、それには人間関係・やりがい・疲労度が大きく影響していることがわかりました。離職防止に、良好 な人間関係、看護のやりがいを持てるとりくみ、リフレッシュや相談の場づくりにとりくむことがポイントとなっています。
同研究所の日野秀逸所長が講演。「予備校の調査でも看護師の人気は高い。青年にとって、保健・医療は魅力ある分野の一つだ」とのべ、民医連看護を担う幹 部は、(1)事実から出発し論理的に考える力、(2)目の前の問題を具体的に解決する力、(3)組織者としての力、(4)自分の意見を大事にしながら、他 人の意見も尊重する民主主義的な力、この四つを高めていってほしいと語りました。
全日本の野村鈴恵看護委員長は、新卒看護師受け入れ調査について報告しました。〇九新卒受け入れ数は八九二人。この間のとりくみの強化が現れ、昨年から 一一六人増となり、四年ぶりに増加へと転じました。一方で、内定辞退者のうち六二%が「民医連外への就職」という厳しい現実もあります。一〇卒は五二七人 からスタートです。昨年、一〇年ぶりに改定した看対マニュアルの全面実践を行い、V字回復をと提起しました。
指定報告は六本。「患者参加型の看護計画推進のとりくみ」(北海道)、「経営改善と看護部門の役割」(神奈川)、「民医連看護の押し出し」(京都)、 「全国的にも看護師が少ない県での看護改善運動」(奈良)、「民医連看護学校の現状」(京都)、「新介護認定へのたたかいと対応」(全日本)が報告されま した。
二日目は分散討論。前日の報告を受けて、「人づくりに手を抜くと大きな穴が空く。民医連看護の打ち出しが重要」「三つの視点、四つの優点を意識し継続さ せる活動が大切」「メンタル対策に担当者やカウンセラーを配置して相談活動をルーチン化」など、活発に意見交換しました。
(民医連新聞 第1456号 2009年7月20日)