健康相談や炊き出し各地で -行政にも対応求める-
昨年10月から今年6月までに職を失う(見通し含む)非正規労働者は約21万人に達するといわれています(厚生労働省)。失業者や路上生活者などに対し、各地で生活・労働・健康などの相談会が行われています。他団体と協力し民医連の職員も奮闘しています。
「春の面談・電話相談村」
東京
4月8~9日、「春の面談・電話相談村」を日本青年館で実施しました。東京民医連は実行委員会に加わり医療相談を担当。のべ医師12人、看護師15人、SW11人などが相談にあたり、一般ボランティアにも参加しました。
年越し派遣村のあと、行政に対し緊急宿泊所と総合相談窓口の設置を求めてきましたが、「のど元過ぎれば…」という状態で、具体的な対応が打たれないた め、支援と世論の喚起が目的でした。2日間の来場相談は124人、電話相談が351人で、約70人が生活保護を申請。医療相談は38人で2人が入院。保険 証所持は13人だけでした。
労働相談では「解雇され住む場所がない」「離職票がもらえず失業給付が受けられない」が多く、生活相談では「生活保護を断られた」「保護費をピンハネする宿泊所から逃げてきた」が目立ちました。
医療相談のほとんどが「障害や病気で治療が必要なのに無保険」というもの。病気を隠して無理に働き続けていた人も目立ちました。また、2日間の一般ボラ ンティア百数十人の中に年越し派遣村の村民が多数いました。(河内光久・東京民医連事務局)
ハロ-ワーク横で相談会
市保護課も出張窓口 福岡
4月16日、大牟田ハローワーク横で、「『有明地区』人間らしく働くためのネットワーク実行委 員会(委員長・橋口俊則=米の山病院長)」が、第13回「生活・健康・労働」無料相談会を行いました。参加団体は、親仁会(民医連)、建交労、不知火合同 法律事務所、地区労連、大牟田公害患者会などです。
健康チェック(血圧、血糖、骨密度、血管年齢)には45人が訪れました。相談は14人で、内訳は健康が7人、サラ金が2人、労働・解雇が3人、生活相談が2人でした。
今回、大牟田市の生活保護課が初めて参加しました。課員が交替で顔を出し、課長は弁護士や医師と同じ机に並び、テントで保護申請を受ける体制をとりまし た。要請を重ねた結果ですが、大英断と言えます。また地元紙に載せた広告を見て、2人がサラ金相談に来ました。
会場でアンケートを264枚配布し80枚を回収。解雇が増えた年末から20~30代が多くなり35%を占めました。(野口寛之、親仁会)
なんでも生活相談と炊き出し
大分
4月12日、大分県医療生協も参加する「派遣切り・なんでも生活相談会」実行委員会(委員長・佐藤秀樹=同医療生協理事長)は、失業や生活困難を抱えた人を対象に「生活相談会」を実施しました。
会場では、「温かいごはんを食べて元気を出して」と用意した、おにぎりや団子汁、ぜんざいが好評。中には「食器や衣服がない」という人もいて、カンパで 寄せられた衣服、日用品、食料なども配給。当日は11の団体から合計約100人のボランティアが参加し(医療生協組合員・職員は33人)、100人以上の 来場者に対応しました。
各種相談には約40人が訪れ、「咳が続いている」という人に佐藤医師が受診をすすめる場面も。組合員さんから「継続してとりくまんと」の声が出ています。(大分県医療生協「週間組合員ニュース」)
「仙台夜まわり」に参加
宮城
4月25日、NPO法人「仙台夜まわりグループ」が定例の炊き出しを市内で行いました。宮城民医連の職員も毎回、交替で参加しています。
今回、雨のため急に会場を変更したため、来られなかった路上生活者もいたようですが、約50人が訪れました。ボランティアは約15人、メニューはカレー ライス、お代わりをする人が何人もいました。また、宿泊場所を提供しているお寺では、定員を9人も超過という厳しさです。
県連では、「行政に対応を求めるとともに、私たちにできる現実的な対応も重要」として、今後も、炊き出しに合わせて、健康相談会を2カ月に1回程度行う ことを予定しています。また、ボランティアや食料品・生活用品、衣類の提供を募っています。(宮城民医連「守れ人権・なくせ貧困ニュース」)
(民医連新聞 第1452号 2009年5月18日)