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民医連新聞

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核兵器廃絶へ歩み 国民平和大行進スタート

 「ふるさとの街やかれ身よりの骨うめし焼土に今は白い花咲く ああ許すまじ原爆を…♪」。原爆症認定訴訟原告の水色のたすきをかけた被爆者たちが、じっ と立って歌います。冷たい雨と風が吹きつけた五月六日、東京・夢の島を国民平和大行進が出発。一二〇〇人の列は、約一二キロを「核兵器はいらない」「米軍 は日本から出て行け」とアピールして歩きました。
 平和大行進が始まったのは五一年前の一九五八年。今年も三カ月かけて、全都道府県と七割を超える自治体を通過します。原爆が投下された八月に、「核兵器のない世界を」の願いを広島・長崎に届けます。
 出発集会には、高齢の被爆者、高校生、宗教者などが参加。「子どものころに戦争の話を聞き、恐ろしくてずっと避けてきた」という女子高生は、「高校生に なってから、『戦争はなくせる』と聞いた。この言葉は私の希望。夏には広島に行きます」と話しました。
 今年は六人が全国各地のコースを通しで歩きます。その一人の森悦子さんは東京ほくと医療生協の埋事。都立病院を守る運動にもかかわっています。
 「医療を守ることも平和を守ることも同じ」と森さん。北海道―東京コースを歩いた咋年に続き、今年は沖縄―長崎コースを歩きます。「咋年、足を痛めたと きに、地元の人が行進の合間に温泉に連れて行ってくれたり、マッサージをしてくれたり、本当にうれしかった。そういう人たちの思いもいっしょに、平和の実 現に向けて歩きたい」。
 最大の核兵器保有国であるアメリカのオバマ大統領が四月、「核兵器は廃絶を」と発言したことは、多くの参加者を勇気づけています。「来年のNPT(核拡 散防止条約)再検討会議に向け、核兵器をなくす確かな一歩を踏み出すため、多くの人に語りかけていきたい」。森さんは歩き始めました。

(民医連新聞 第1452号 2009年5月18日)