人間らしく平和に生きたい 九条変えさせない 東京の憲法集会から
「平和な世界で人間らしい生活を送りたい」「地球上から核兵器をなくそう」「憲法九条と二五条が生きる社会を」…。五月三日に各地で憲法集会が開かれました。六日には、北海道と東京から被爆地の広島・長崎へ向けて国民平和大行進が出発しました。
東京の日比谷公会堂で行われた憲法集会には四二〇〇人が参加しました。
メイン講演は、作家の落合恵子さんと、ノーベル賞を受賞した益川敏英さん。日本共産党の志位和夫委員長、社会民主党の福島瑞穂党首も駆けつけました。集会終了後、銀座に向けてデモ行進をしました。
責任をとって
落合恵子さん
「自己責任」、この言葉が私たちにどれほどひどい仕打ちをしたか。この国を駆けめぐり、あらゆる場面で使われた。
職を失うと同時に住まいも失って苦しむ人に、「それはあなたの責任」と言えばすむのか。この国がしていることは、すべてそういうこと。私たちの「健康で文化的な生活を営む権利」がどんどん侵害されている。
自己責任を取らなければならないのは、この国を動かしている人たちだ。たくさんの人がつらい思いをしている一方で、天下りは何一つ変わっていない。「責任を取って下さい」と、もっと声を上げなければ。
人類は進歩する
益川敏英さん
憲法九条改正への足音がする。運動して止めるのはたいへんな力がいる。彼ら(改憲勢力)に「下手なことをしたらヤケドする」と思わせる運動にしなければ。
日本人の九条に対する思いは軽くはない。「九条を変えますか」と言われても、やすやすと許さないと信じている。
以前、二〇〇年後には戦争はなくなると言った。それほどでたらめではない。人類は進歩している。みなさんもそこに確信を持ってほしい。アメリカでも黒人の大統領が誕生した。
逆流もおこる。保守勢力も必死だから。だが、大きな目で見れば必ず進歩する。
平和を願う力
志位和夫さん
四月五日のオバマ大統領の演説で三つの点に注目した。(1)アメリカが核兵器廃絶を国家目標に すると初めて公式にのべた。(2)原爆を投下した国としての道義的責任に言及し、その立場から行動すると語った。(3)核兵器廃絶に向けて諸国民に協力を 呼びかけた。心から歓迎したい。
だが「私が生きているうちには無理」との発言は同意できない。やらなければわからない。また、核兵器廃絶の国際交渉を呼びかけることはすぐできるはず。
この変化をもたらした根本は、平和を願う世界のたたかい。今こそ被爆国日本で「国際交渉を開始せよ」の声を大きく広げよう。
(民医連新聞 第1452号 2009年5月18日)