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民医連新聞

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終末期医療のあり方も医療倫理委員会の重要なテーマ 医療倫理委員会 活動交流集会ひらく

 全日本民医連は医療倫理委員会活動交流集会を四月一一~一二日、京都で開きました。三回目の今回、終末期医療をテーマにした模擬倫理委員会も行いました。(村田洋一記者)

 今集会の目的は、第一に終末期医療のあり方を議論し、第二に倫理委員会活動の工夫(コンサル テーション機能など)や人材育成の課題について検討すること、第三に小規模病院・診療所、介護施設などが倫理問題を検討するための援助のあり方を考えるこ と、最後に治験・臨床研究の現状について交流することでした。
 全日本民医連・医療倫理委員長の積豪英さんが三八回総会方針が強調する「すべての病院に医療倫理委員会を確立する」ための提起を行いました。
 この間、「尊厳死法案」が出され、〇八年五月の国際移植学会では「移植ツーリズムの禁止・自国での移植を基本とする」イスタンブール宣言が採択され、 「終末期医療のガイドライン」も〇七年から〇八年にかけて厚生労働省、全日本病院協会、日本医師会などがあい次ぎ発表しました。
 これまでに、集団的検討が機能せず、終末期の治療の差し控えや中止が医師一人の判断で行われる事件が起きています。それを防止する上で、ガイドラインが 大きな役割を果たすことが期待されます。しかし、それに従えば万全というわけではありません。積委員長は「民医連の終末期医療は、患者の権利を守り、その 人らしい生をまっとうするために、医療者だけでなく患者・家族を含めて検討し、実践していくこと」とのべました。
 共同組織も含めて終末期医療のあり方について集団で考えていくこと、倫理的な問題の相談にのる医療倫理コンサルテーションシステムを事業所、法人、県 連、地協レベルでもつくること、地域や大学との連携などを課題としてあげました。
 二つの指定報告がありました。一つは「診療所における倫理問題」と題して大阪・ファミリークリニックなごみ院長の大島民旗さん。医療倫理問題で遭遇する 事例とその解決法、アプローチで苦労している点について発言しました。もう一つは石川・城北病院医療倫理委員会の信耕久美子さんが「コンサルテーション機 能の実際」を報告しました(別記)。
 イブニングセッションでは「脳死・臓器移植について」が行われました。
 講演は「ケアに関わる倫理」と題して聖隷浜松病院の勝原裕美子副院長兼総看護部長。「なぜ倫理を学ぶのか」「医療人としての責務とは何か」と問いかけ、「倫理問題はあらゆるところに存在する」と語りました。

(民医連新聞 第1452号 2009年5月18日)