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民医連新聞

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フォーカス 私たちの実践 ノロウイルス対策の教訓 あおもり協立病院 行動範囲から感染源しらべ 予防策とり、全部署で学習

 あおもり協立病院では、ノロウイルスのアウトブレイクを教訓に、職員の認識を高め、感染の標準予防策を徹底。第九回看護介護活動研究交流集会での報告です。

 ノロウイルスは、ほとんどが経口感染です。患者のふん便や嘔吐物から二次感染を起こし、広がります。そのため家庭や大勢が共同生活する施設などでは、とくに対策が必要です。

感染経路を追う

 病院では患者から患者へ媒介させないために、看護を中心に標準予防策を行うことが必要です。また、医療従事者全員がこの重要性を認識しなければなりません。
 当院が経験したノロウイルスのアウトブレイクでは、すぐに発生源を突き止め対処しましたが、全職員の感染に対する認識を向上させ、今後の対応を指導していく大切さを痛感しました。
 〇八年一月一八日、初めにA病棟からノロウイルス感染者が一人発生しました。同日、同病棟の入院患者三人が発症し、B病棟で一一人、C病棟で一人が発症しました。
 ただちに、患者の行動範囲を調べると同時に、患者にかかわった看護師ほか医療従事者の行動を確認しました。
 発症した患者の全員が、リハビリを行っていたことから、リハビリ室での感染が考えられました。
 すぐに、感染委員とリスクマネージャーが、リハビリスタッフと当該病棟スタッフから情報を収集しました。聴き取りの中で、当該部署での感染管理に対する 認識が甘く、看護師が行うべき標準予防策も徹底されていなかったことが判明しました。

バラバラだった認識

 そこで、標準予防策とともに、ノロウイルスの対処法をあらためて教え、環境整備を徹底的に実施しました。これは感染源になった部門だけでなく病院全体で行いました。
 その過程で、部署間に感染管理の認識にバラツキがあることが明らかになりました。
 リハビリ室は、さまざまな利用者が出入りしますが、利用者に手洗いをしてもらうことはもちろん、利用者が触る物品の消毒がまったく行われていませんでした。
 またA病棟では、感染症が発生すると通常ほかの病棟へ転棟しているため、感染症患者を看護することがほとんどなく、感染管理の認識が低かったと考えられ ました。そのほかの病棟でも、感染管理の必要性がスタッフ全員に認識されているとは言い難く、知識にもバラツキがありました。

ラウンドと再教育

 感染委員会では、感染防御に関する教育が部署まかせではいけないと気づき、病院全体で行うこと にしました。アウトブレイクが発生した部門だけ問題にしていたのでは防御できません。リスクマネージャーと感染委員が病院を巡回し、標準予防策の学習・手 順の徹底を確認しました。また、個人防護具(PPE)のエプロン・グローブの着脱法を統一したやり方にあらため、環境整備も強化しました。
 こうして、新たな感染者が出ることなく、一カ月で沈静化することができました。これを教訓に、感染管理に対する関心や行動水準を常に高めていくよう努力したいと考えています。

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(民医連新聞 第1451号 2009年5月4日)