増やせ 医師、看護師、介護職 3つのウエーブが初の合同行動
全日本民医連は三月二七~二八日に「ストップ 医療・介護崩壊・増やせ社会保障費」を掲げて大運動を展開しました。二七日は「医 師・看護師・介護士ふやせ」の三ウエーブとして初めて、同時進行で対政府交渉を実施。医師二〇人、看護師一三人、介護職七人など、総勢八〇人が参加、四カ 所で交渉しました。
ドクターウエーブ
院長から研修医まで一九人の医師を含む四二人の大交渉団。とくに医師臨床研修の「見直し案」を撤回するよう求めました(四月六日号で既報)。
厚労省と文科省に対し、医療や教育の費用を削減する政策をやめ、医学部定員増に見合う教育環境を整え、医療崩壊をくいとめるよう求めました。
ナースウエーブ
「看護師増員に関する要望書」をもとに看護師など一五人が参加して厚労省と交渉しました。
七対一取得の要件「AかつB」を「AまたはB」に変更すること、一〇対一病棟にも補助者加算をつけることなどを求めました。
また、看護師を増やすために看護学校と学生への補助を充実するように要望しました。
介護ウエーブ
現場で働くケアマネジャーや介護福祉士が厚労省と交渉しました。
「厚労省は『介護報酬三%アップは介護職員の二万円賃上げのため』と言ったが、試算では二〇〇〇円アップが精いっぱい」「利用限度額の上限を上げない と、すでに限度額まで利用している人は、三%増が自己負担になる」と現場の苦悩を話しました。
厚労省は介護報酬改定の影響調査を約束しました。
社会保障費ふやせ
財務省に対し社会保障費の切り捨てをやめ、この分野の財政支出を増やすよう要望。厳しい病院経営の実態を話すと、担当官も「診療報酬の(低い)水準が問題」と発言。
厚労省に対しては、この間の診療報酬の連続マイナス改定と、特に入院時医学管理加算の選定療養が要件に入ったことを批判。担当医官も「個人としては、おかしいと思う」と発言しました。
駅頭宣伝からシンポジウム
翌日は一〇時半から有楽町で、全国から参加した八〇人が大宣伝行動。医師・看護師・介護職などそれぞれの立場から地域や職場の実態を訴えました。
午後のシンポジウムには約一八〇人が参加。全日本民医連の長瀬文雄事務局長をコーディネーターに四人のパネラーが報告しました。全日本民医連の吉田万三 副会長は医療・介護崩壊の危機にある現状とたたかいについて基調報告。日本医労連中央執行委員長の田中千恵子さんは「看護師増員の運動」について発言。世 論と運動で看護職員確保法を策定させた歴史を語り、「今また改定・前進させる時。がんばろう」と呼びかけました。日本福祉大学社会福祉学部教授の石川満さ んは「権利としての社会保障と介護保険制度の問題点について」理念を語り「民医連が実態を告発し、政府を動かしている」と激励。全国自治体病院協議会会長 の邉見(へんみ)公雄さんは地域医療の崩壊を招いた政策を解明し、地域医療を守る熱意を語りました。
フロアから医師、看護、介護などの七人が発言し、パネラーとの意見交換がありました。
(民医連新聞 第1450号 2009年4月20日)