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民医連新聞

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医療・介護「崩壊」から『再生』へ 千葉・船橋二和(ふたわ)病院健康友の会 紙しばい班会デビュー 職員が出かけて語り合う

 「総選挙近し」。全日本民医連は「医療・介護を壊す悪政にノーを示そう」と呼びかけています。共同組織強化月間のいま、班会で 「青空ビラ」「紙しばい」を活用し、「職員は講師になろう」と提起しています。千葉・船橋二和病院健康友の会では、運営委員会で「紙しばい」の普及を決 め、最初の班会デビューは西習志野(ならしの)班で。九月二五日、関山美子さん(ケアマネ)と岡本功さん(事務)が講師に出向きました。(小林裕子記者)

 西習志野班は一五年間、月一回の班会を続けています。九月は「敬老の日」にちなみ、昼食会を兼ねた班会に一三人が集まりました。「紙しばい」をみて、関山さんから介護保険の話を聞くというプログラムです。
 岡本さんが「紙しばい」を語ること一五分。見つめる顔は真剣で「ふーん」「そうだよね」の合いの手も。
  続いて関山さんの話です。「船橋市では特養ホームの待機者が七六〇人います。施設入所にかかるお金は月一〇万円をくだりません。要介護から要支援にされ、 ヘルパー利用が制限されました。低賃金でヘルパーのなり手がありません。この地域でも事業所の廃業が続いています。私はある利用者のために電話を二〇件か けましたが、ヘルパーが確保できず、娘さんが仕事をしながら介護しています…」。地域の事情が具体的に語られていきます。
 参加者からも大変な話が次つぎと出ました。「私もヘルパーさんが二時間から一・五時間に減ったの」「私の娘もヘルパーだけど、手取りが一三万円くらいし かない」「私の年金七万円では、どこにも入れないね…」。「社会保障の財源に消費税は困る…」という意見に、関山さんは民医連の『再生プラン案』を取り出 しました。

悪いのは国の方針なんだ

 「救急車を断ったって聞いたけど?」「患者を三カ月で追い出すって、二和病院は違うよね?」というシビアな質問も出ました。
 同院は「原則、断らない」と友の会に約束しています。しかし、救急車が五台も並んだ時は「待つより他院にお願いした方がよいと判断したんだと思います」。
 「三カ月経ったら退院という規則はありません。診療報酬が下がって赤字になるからです。政府の方針が悪いんです。市内には差額で入院料月七〇万円という 病院も現れました。二和病院はそうならないよう努力しています。みなさんからも地域の人に話してください」。
 職員の説明に納得しながらも「金がないと大変だ。私なんかどうすりゃいいんだ」という不安の声もあがりました。すると周囲から「そうよね」「大丈夫。関 山さんに相談して、助け合いましょ」「制度を変えなくちゃ」と励ます声がかかりました。

15年続いている理由

 班会の会場は本田昌也さん・節子さんの家です。一五年も続いている理由はなんでしょうか。昌也 さんは「役員なので自ら実践しなくちゃ」と笑います。「実はおしゃべりが楽しみで集まるんです」。食事会はとくに人気とか。「友の会の魅力は、知的刺激と 行動」とも。なるほど、昨日の署名活動が楽しそうな話題になっていました。
 班会は「地域の出張診療所・会員と職員がふれあい育ち合う場・助け合う心の居場所・現代の井戸端会議・まちづくりの発信地」。本田夫妻が考える役割です。
 この日、誘われて参加した一人が友の会に入会しました。関山さんが「つい盛り上がってしまった」という、職員の心も熱くする班会でした。

(民医連新聞 第1437号 2008年10月6日)