基地の県・神奈川 繰りかえされる軍事優先 横須賀・軍港めぐりフィールドワーク
総会が行われた神奈川県。多様な自然と歴史のまち。もう一つの顔は、沖縄に次ぐ「基地の県」。県内には一五の米軍施設があり、そ の一つが横須賀海軍施設(横須賀基地)です。そこに原子力空母の配備が住民不在で決められ、今年八月の予定ですすんでいます。その現場を見ようと総会が終 わった翌日、フィールドワークがとりくまれました。(横山 健記者)
三月九日、全日本民医連と神奈川県安保破棄実行委員会の共催で「横須賀・軍港めぐりフィールドワーク」が行われました。
今回、総会に来賓として参加した韓国・緑色(グリーン)病院の梁吉承(ヤンギルスン)院長、朴贊浩(パクチャンホ)企画調整室長、オープニングを飾った トランペッターの松平晃さんをはじめ、四〇人が船に乗り込みました。案内は神奈川県平和委員会の鈴木和弘さん。米軍施設の実態を海から見学し、マスコミな どでは報道されない基地の危険性を聞きました。
あらためて怒り
穏やかな湾に突き出たような基地。多くの部分を米軍と自衛隊が共同で使用しています。
最初に見えてくるのは兵士用の住宅。「住宅が足りず、低層住宅を高層に建て替える計画がある」と鈴木さん。「その費用は、すべて日本政府からの思いやり予算」という説明に参加者は「またか」と、ため息をつきました。
港には米軍の空母などが停泊、その中に、二月一九日に衝突事故を起こしたイージス艦「あたご」がありました。船首に残る生なましい傷あとも確認しました。
その先には「清徳丸」もありました。二つに裂けた船体はブルーシートに覆われていました。鈴木さんは「『あたご』が海上ルールを守らず、右に舵を切らな かったから起きた事故。ルールを遵守すれば防げた」と説明。参加者はあらためて怒りを覚えました。
松平さんは「沖縄の平和と二人の生存を願って」と「てぃんさぐぬ花」「沖縄を返せ」を船上で演奏しました。
見学を終えた参加者は「聞くのと見るのではインパクトが違う。あらためて平和の大切さを実感した」など、感想を語り合いました。
朴贊浩さんは「緑色病院の近くにも米軍施設がある。韓国も日本と同じだ。基地の目的は戦争、米軍は帰るべきだ」と語りました。
(民医連新聞 第1424号 2008年3月24日)