民医連表彰 受賞者の声
民医連職員がまとめた論文や発表、著書から、優れたものを表彰する民医連表彰に七題が選ばれました。受賞者のうち、各部門一人の喜びの声です。
〔発表部門〕
★「歯科のない病院での歯科衛生士の取り組みについて」…青森・原田千明、健生病院・歯科衛生士
★「二〇〇六年度法改定による福祉用具貸しはがし対応の報告」…群馬・町田茂、あおば薬局前橋店・ケアマネジャー
★「埼玉民医連における医薬品副作用被害救済制度の利用現状と課題」…埼玉・松川朋子、浦和民主診療所・薬剤師
★「糖尿病患者における血糖コントロールに影響する要因の検討」…石川・板橋訓代、城北診療所・臨床検査技師
★「もみじ台団地 生活・健康調査の取り組み」…北海道・高崎知哉、もみじ台内科診療所・事務
患者さんの一言から始まったこのとりくみが、こんなにも評価されるなんて思いもしませんでした。
患者さん一人ひとりの思いに耳を傾け、しっかりと受け止めることが重要なんだ、とあらためて痛感しています。受賞の報を受け、とりくみに関わったすべて の職員や友の会には、大きな喜びとさらなる確信が広がっています。
しかし、このもみじ台地域にはまだまだ改善が求められる問題が、数多くあることも明らかになっています。この地域で暮らす人びとが、健康で暮らし続けら れるために、行政をはじめ地域のみなさんと連携して、民医連の診療所として奮闘していく決意です。(高崎知哉)
〔論文部門〕
★「原爆症罪なき人の灯を継いで」…兵庫・郷地秀夫、東神戸診療所・医師
★「民医連スタディ(全国糖尿病追跡調査会)は何を明らかにしたか」…石川・莇(あざみ) 也寸志、城北診療所・医師
全日本民医連に加盟する一二七の医療施設の協力を得て、一九九五年から約三〇〇〇人の糖尿病患者の病態や治療状況について、約六年間の前向き追跡調査を実施しました。
これまで、調査全体の概要に関する文章報告はされていませんでした。昨年、民医連医療(二〇〇七年一〇月号)で、学術活動の特集が企画された機会に、遅 ればせながら民医連スタディの概要と明らかになった新知見を報告させていただきました。
調査結果から、大血管障害では欧米と同様に脳血管疾患から虚血性心疾患優位型に移行していること、糖尿病性細小血管症と糖尿病大血管合併症のいずれもグ リコヘモグロビンA1cが重要な危険因子であること、顕性腎症では喫煙歴が危険因子として重要であること、職業を有する男性患者では、全死亡、悪性腫瘍、 糖尿病網膜症、顕性腎症、虚血性心疾患のいずれも、「自営業者」が独立した危険因子であることがわかりました。
この調査に携わった全国の仲間とともに、名誉ある賞を受賞できましたことを喜びたいと思います。また、本調査の主旨に賛同して参加してくださった患者さ まや、各医療機関の関係者のみなさまにあらためて心から深謝いたします。(莇 也寸志)
(民医連新聞 第1424号 2008年3月24日)