地域で医療を守る(21) 後期高齢者制度許さない 徳島・岩手・北海道
各地で後期高齢者医療制度の中止を求め、精力的な活動が展開されています(連載「地域で医療を守る」は今回で一旦休載します)。
シンポジウムを開催
「社会保障ではない」の声
【徳島発】県社保協は一月一九日、「後期高齢者医療制度について考えるシンポジウム」を開き、約一六〇人が参加しました。
徳島健康生協の副理事長・久保田滋さんが基調講演。制度の概要を説明し、「医療費の削減だけが目的。政府財界がすすめる医療構造改革は弱い者いじめ、『棄老(きろう)』そのもの」と強調しました。
パネリストは県民医連、高齢者運動連絡会、生活と健康を守る会、保険医協会の各役員と、高知県社保協から招いた五人。それぞれ問題点などを指摘し、生活困窮者を医療から排除することを問題視しています。
当県では、保険料月額が五八六〇円、全国平均よりも低い一方、葬祭費が二万円で全国最低、後期高齢者の健康診査は対象を過去一年間に医療機関を受診して いない人(三・四%)に限定しています。パネリストは「必要な部分を削り、保険料を安くしただけ。いずれ保険料は上がり、高齢者を苦しめる」と指摘しまし た。
会場から「この制度は社会保障ではない」など、批判があい次ぎました。
(吉田泰英、県連事務局長)
*厚生労働省が都道府県に、降圧剤・血糖降下薬・抗コレステロール剤を使用中の後期高齢者を健診から除外するよう指示したことが分かり批判が起きています(編)。
二月は正念場
署名・宣伝で地域へ
【岩手発】当県連は、二月が後期高齢者医療制度「中止・撤回」の正念場と位置づけています。
その方針を受け、川久保病院の社保委員会では、①地域に出ること、②週に一回、ホールで署名行動を実施することを決めました。その具体化で、二月二日土曜の午後、盛岡市中心部で署名・宣伝を行いました。
この日はマイナス七度の厳寒でしたが、及川拓医師を先頭に、社保委員一〇人が市民に訴えました。
制度の職員学習会、新版「社保テキスト」読了が力になっています。(吉田博、県連事務局長)
林家松枝さんの落語
「ストップ・ザ・医療改悪」
【北海道発】勤医協札幌病院は、一月一八日夜、後期高齢者医療制度の学習会と、林家松枝さんの出張落語「ストップ・ザ・医療改悪」を行いました。地域の友の会員さん一〇人を含めて一三一人が参加しました。
講師は札幌社保協事務局長の斉藤浩司さん。昨年、テレビで放映された「後期高齢者医療制度」の特集を視聴しました。落語は、今日の医療改悪を批判し、医 療労働の大切さを訴える内容でした。笑わせながら、うなずかせ、「これ以上の医療改悪を許さない」という気持ちを起こさせました。(小野幸夫通信員)
(民医連新聞 第1422号 2008年2月18日)