地域で医療を守る(20) 高齢者医療制度許さない 紙芝居、ハガキ署名付ビラで… 富山
富山民医連では、後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める運動を昨年秋から積極的にとりくんでいます。
県連理事会では、職員と共同組織がいっしょになり「知って、知らせよう」と、職場と共同組織での学習会を提起。署名目標は一万筆です。
富山診療所はさっそく、分かりやすく知らせるために「オリジナル紙芝居」を作成。これを職場と共同組織の班会で上演してきました。ほとんどの職場で実施 し、班会では「分かりやすい」と好評です(四九回、八五一人が参加)。
また、宣伝と学習の資料として一〇月中旬、富山独自の「ハガキ署名付ビラ」を一六万枚作成。打ち出しは「ご存知ですか? 後期高齢者医療制度」、「長生 きはダメですか?」です。うち一〇万枚を富山市内の情報誌に折り込みました。
ハガキ署名には大きな反響があり、一月二二日現在、一〇六二通が返信、三〇五六筆が集まりました。その四割近くの人が「私も一言」欄に、怒りと不安の声を寄せてきました。
◇長生きして良かったと思ってきたが、こんな制度はみんなで反対しよう
◇一人暮らし。これ以上の負担増になると生活できません
◇贅沢もせずに生きてきたが、税金は高くなり、今度は医療費…、死ぬ時くらいは若い時から払ってきた税金で…
事業所周辺の長寿会訪問
10カ所で「出前説明会」
この間、事業所周辺の六六の長寿会を訪問しました。訪問では、(1)ハガキ付署名ビラを会員に配 布、(2)「出前説明会」の開催を(講師を派遣)、この二つを呼びかけました。地域差はありますが、約半数の長寿会がビラ配布を引き受けてくれ、「出前説 明会」は一〇カ所で開催できました。
ある「出前説明会」では、一八人の参加者全員が七五歳以上の人でした。講師が三〇分説明して、一時間たっぷりタウンミーティング形式(会長さんの説明) で討論。「保険料の年金天引きはおかしい。介護保険料は拒否し、普通納付している」という会長さん。
医療制限と療養病床削減の話を聞いて、「早く死ねということか」と怒りの声も出ました。立山町の長寿会では忘年会開始前の約三〇分をあて、参加者は七四 人。ここは医療生協の支部役員が呼びかけて実現しました。参加者の五割が七五歳以上で、「知らなかった。いい話が聞けた」と喜んでいました。
署名は7122筆に
1万筆を達成しよう
署名は一万の目標に対して七一二二筆。ここ数年間、いつも六千筆程度にとどまっています。県連では、署名数は「どれだけの人に知らせたか」のバロメーターです。「事業所の目標を明確にして、達成にこだわろう」と提起してきました。
特養しらいわ苑では、社保委員会の学習に参加した委員が奮起。職員に呼びかけ一気に二六〇筆集めた経験も生まれています。
一月一二日、県選出の参議院議員(無所属・医師)と懇談し、署名の紹介議員を要請し、快諾を得ました。何としても一万筆集めて国会へ出そうと、引き続き奮闘中です。(吉田 修、富山民医連社保委員長)
(民医連新聞 第1421号 2008年2月4日)