後半セッション
模擬患者を通じてよりよいコミュニケーションを考える
三つの事例を検討。(1)点滴の名前が自分と違うことに気づいた患者。ナースコールで呼ばれた 時どう対応するか。(2)腹腔鏡から開腹手術に変更。術後は流動食を口頭指示。しかし、病棟に伝わらず、全粥が配膳されていた。模擬患者と医療スタッフが 実際にやりとり。参加者を交えて、コミュニケーション技術や事故防止策を考えました。
電子カルテ時代の診療情報管理
電子カルテ導入で診療記録の質がどう変わったのか。導入前後で発生した問題や改善策、電子カルテによるカルテ開示の経験が報告されました。DPCを活用した症例検索や研修症例管理の実演もありました。
This is“口腔ケア” QOLの向上のために
口腔ケアが肺炎や心疾患、糖尿病予防に効果があること、シンプルなケア、歯磨が大切、と学びました。「認知症高齢者の口腔ケアは、いっぺんにやろうとせず、できることから一つずつはじめる」ことが教訓でした。
高齢者医療における精神科からのアプローチ
認知症、うつ、せん妄想の代表的な症例を学び、認知症患者への接し方を議論しました。アドバイザーは精神科医。「患者の言動はその人の歩んできた人生の表れ。寄り添い、労力をおしまずねばり強い対応を」がアドバイスでした。
食べられなくなったらどうする
経口摂取が困難となった高齢者の胃ろう造設をめぐる諸問題
認知症などで自己決定できない高齢者が食べられず、嚥下リハも効果がないとき、胃ろう造設の是非は?医学、医療倫理、法的視点で議論しました。親族も交えて早めに相談し、一度で決めない。どちらを選択した場合でも、しっかりとしたフォローが大切です。
介護・福祉のケア実践交流
「生活の視点」でケアの質の向上を
教育講演は「『生活の視点』で介護実践にとりくんで」。予防訪問介護と軽度者の生活支援、認知症デイのとりくみ、小規模多機能施設の実践報告が行われました。利用者の人生、生活の歴史を大切にしたとりくみが共通でした。
学術セミナー「健康と社会格差」
いわゆる“メタボリックシンドローム”を斬る
講演は「公衆衛生学の立場から見た『メタボリックシンドローム』」(鏡森定信・富山大学教授)。福岡・舟越光彦医師、石川・莇也寸志医師も研究報告。自己責任論に終わらせず、労働や生活条件も含めた対策の必要性を学びました。
貧困・格差社会に立ち向かう民医連の活動
前半の第一テーマの講演を受けシンポジウム。国保料減免のとりくみ(大阪)、在宅生活を守る運動(千葉)、生活保護行政の実態(福岡)、地域医療を守るとりくみ(北海道)が報告され、民医連の役割を考えたシンポでした。
(民医連新聞 第1417号 2007年12月3日)