地域で医療を守る(18) 4県連がドクターウェーブ 「地域医療を守る東海のつどい」 岐阜・静岡愛知・三重
民医連の東海四県連は「10・6地域医療を守る東海のつどい」を開きました。参加者は二五〇人を超え、会場はいっぱいに。民医連 以外の医療関係者や市町村議員の参加も多く、地域医療の崩壊の深刻さと関心の高さを示しました。愛知県医師会、愛知県医療法人協会、各県保険医協会が後援 しました。
「東海のつどい」では、埼玉・済生会栗橋病院副院長の本田宏さんが講演しました。話は分かりやすく約一〇〇分がまたたく間。医師は絶対数が不足、本質は低医療政策にある、など豊富な資料での説明が大好評でした。
参加者は、民医連以外の医療関係者が二六人、一般が四二人。地方議員が一四人、学生も五大学から。民医連外からも医師四人が発言に立ち、医師の過酷な労 働実態や患者に安全でいい医療を提供する上での懸念を表明しました。
会場との質疑では、実態や打開するための方策について活発なやりとり。医学生の一人は「明日の医療を何とかしたいと思う。アドバイスしてほしい」と発言 し、本田さんは「まず医療の現実をよく知ってほしい」と激励しました。医師は、つどい後も学生らと懇談し熱く語りました。マスコミ六社が取材し、当日、夕 方に中部日本放送(CBC)が放映しました。
医師を先頭に
つどいの準備は四月から開始。四県連の医師委員会が積極的に関わりました。開催地は名古屋に、北陸のドクターウェーブを参考にしました。
六月、四県連の医師委員長・事務局長が協議しました。「何よりも私たち自身が、医師不足の背景や原因について正しい認識を持つことが必要。そして、東海 の医療情勢を共有していこう」と一致。実行委員会をつくり、民医連の医師・看護師など全職種と共同組織に呼びかけること、また各県の大学や自治体病院、議 員、開業医や病院関係者、市民にも参加してもらい、各地の問題を明らかにすることにしました。
医師会や保険医協会、病院などを訪問し懇談することも確認、ポスター・チラシを作成しました。
八月の第一回実行委員会では、矢崎正一医師(愛知民医連会長)を委員長に委員を決定。ニュース発行、各県連の目標達成を推進しました。四県連は会長や理 事長、院所長が呼びかけの先頭に立ちました。訪問した団体は二八、病院は二四病院です。愛知県医師会から後援とメッセージのOKが、三重大医学部長からは 学内にポスター掲示の協力を得ました。同窓生に参加を呼びかけ、懇談で苦労を聞き取った医師もいます。静岡ではいち早く参加者目標を達成。岐阜や三重は、 貸し切りバスをチャーター。つどいは盛大でした。
第二の「本田宏さん」を
第三回実行委員会では、まとめと今後のことを話し合いました。
後援団体や参加者とのつながりを継続するため、お礼訪問や懇談をすすめることに。また、第二の「本田宏さん」が民医連の中にたくさん生まれたら力になり ます。講演DVDや資料CDを普及し、医師が講師になって学習会、講演会を広げることにしました。医師会の勤務医部会や、医学生に働きかけることも確認し ました。
(大川博、三重民医連事務局長)
(民医連新聞 第1416号 2007年11月19日)