第三者機関 医療事故の再発防止・患者救済もとめて(1) 全日本民医連 第三者機関プロジェクト
全日本民医連は、医療事故の再発防止と患者救済をする第三者機関設立の運動をすすめています。いま、厚労省も「診療行為に関連し た死亡に係る死因究明等のあり方に関する検討会」をつくり、医療関連死の第三者調査組織の創設を検討しています。第三者機関をめぐる国内や海外の状況や、 求められる第三者機関の条件などを連載します。
海外の第三者機関も視察して厚生労働大臣へ3回目の要望書
八月三一日、全日本民医連は、医療事故を取り扱う第三者機関の早期実現を求めて厚労省へ要請を行いました。要望書を出すのは今回で三回目になります。
肥田泰会長は「医療事故が起きた場合、教訓化し、再発防止に生かすことが大切。警察が介入し、当事者が責められる現状は解決にならない。一方で医療機関 側は自浄作用を発揮し、隠蔽(いんぺい)体質をなくさなくてはいけない。医療関連死を扱う、警察でない調査組織は、一日も早く実現すべきだ。財源は運営費 と被害者補償を含めると、数百~一千億円ほどかかると試算している。国が全額出すのがもちろん望ましいが、一部は医療機関やメーカーの拠出金や、診療報酬 を充てるなど、患者・国民にも協力を求め柔軟に考える必要がある」とのべました。
また、この問題で、オーストラリアの視察報告書を、近く発行予定であることも紹介しました。
厚労省担当官は、「基本的な問題意識はほぼ一致している。制度設計にあたり与野党や各省庁とすり合わせしていく。海外の制度についての視察報告はぜひ参考にしたい」とのべました。
全日本民医連「医療事故を取り扱う第三者機関の早期実現を求める要望書」ポイント
1、医療機関・患者双方から受けつける相談窓口の確立
(1)医療安全支援センターの充実強化
(2)死亡事例の届出は警察でなく専門機関に
2、被害者の救済制度の創設
3、裁判外紛争処理機関の設置
4、医療事故を調査・公開し、原因究明・再発防止に役立てる機関の設置
5、自律した行政処分を行う機能の確立
※ 全文は全日本民医連ホームページ
「民医連の声明・見解」に掲載。
(民医連新聞 第1412号 2007年9月17日)
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