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民医連新聞

民医連新聞

学んで語って交流した 医系学生 夏の企画

 八月は、医系学生たち自身が工夫をこらした企画が満載です。学習講演、フィールドワーク、キャンプファイアー、職員や組合員さん との交流会。この日のために約一年間、テーマをあたため継続的に学習し、企画してきました。仲間と学ぶ楽しさを知り、民医連医療を考えた夏。それぞれのと りくみを紹介します。

医学生のつどい

 八月一七~一九日、「第二八回民医連の医療と研修を考える医学生のつどい」を滋賀県・琵琶湖グランドホテルで開きました。医学生一七三人、職員や共同組織を合わせ四二四人が集まりました。テーマは「格差社会を考える~いのちが大切にされる社会を目指して~」。
 一日目は日本福祉大学の近藤克則教授の講演『「健康格差社会」を考える』。二日目は、テーマを深めるためフィールドワーク。近畿地協六府県二七カ所に分 かれ、生活保護受給者や患者さんの家、障害者施設、ホームレス生活者が集まる地域などを訪れ、話を聴きました。
 格差が広がり、いのちが脅かされている現実を知り、「なぜそんな事態が起きているのか」「一人ひとりが大事にされる社会とは」を考え、語り合いました。
 最終日は、格差社会にどう向き合い、どう行動していくのかをワークショップ形式で班ごとにまとめ、三五班すべてが発表しました。共通のキーワードは「い のちの平等」。医学生として、「いのちに格差があってはならない」ことを確認し合いました。
 閉会式では、「奨学生になります!」の声も。感動的なフィナーレでした。

歯学生のつどい

 八月一一~一二日、第九回歯学生のつどいを東京都内で開き、歯学生二〇人が参加しました。テーマは「ひとの気持ちがわかるひとになる パートⅡ」です。
 講演は、富山大学保健管理センター所長・教授の齋藤清二さん。臨床における医療者・患者関係が治療におよぼす効果や、コミュニケーションの重要性につい て話しました。また、「病(やまい)は、患者の人生で大きな物語の中の一つ。医療も一つの物語としてとらえ、治療とは両者を摺り合わせて新たな物語を作り 出すプロセス」というNBM(ナラティブ・ベイスド・メディスン)について、具体的な医療面接法を示しました。
 「患者さんへの接し方を考えることができた」「コミュニケーションで相手の気持ちを共有することが大事」と、人との関係を考えるいい機会でした。

看護学生ゼミナール

★北海道★
MS(医系学生)フェスタ2007in札幌~新篠津

 八月一~二日、「医療の歴史にふれ、今を生きる医療人として仲間と共に生命の素晴らしさについて学びを深めよう」をテーマに開き、四二人の看学生が参加しました。
 「民医連の歴史」「青年職員から民医連を学ぶ若者たちへ」「医療をめざす若者たちへ」と題して、職員や患者さんが講演。その後、病棟見学や訪問看護に同 行、友の会員さん宅を訪問。グループワークでそれらを交流しました。夕食のあとも学校の話や医療現場への質問など、職員を交えて交流し、話は尽きませんで した。
 (北海道民医連事務局、釣本道子)

★東北★
第19回T6ENC (東北6県看護学生のつどい)

 八月九~一〇日、宮城県秋保温泉で開き、看学生四三人を含む六八人が参加しました。テーマは「看護が輝くために」。
 長町病院のSW・加藤由有子さんの学習講演「憲法二五条のある国で出会った人びと」で、事例を示された看学生たちは、「国は生存権を守って」と憤りまし た。また、「若手看護師奮闘記」の報告を聞き、来年入職する看学生たちは不安が軽減した様子でした。心肺蘇生法・注射法・食事介助の体験学習、レクリエー ションと内容は盛りだくさん! 交流し、たくさん仲間ができました。(津軽保健生協、小野富士子)

★近畿地協★
第5回Egg Nurse Step→B

 八月八~九日、コープこうべ協同学苑で開き、看学生と職員合わせ一二四人が参加しました。
 「和楽を発見しよう本音バトル~親友から心友へ 信じあえる友へ~」がテーマ。看学生による開会宣言や「WINDING ROAD」の手話うたで元気よくスタート。
 講師の神戸常磐短期大学の高宮洋子先生は「看護労働の今、みなさんの可能性、生命の可能性」について話しました。分科会では「告知について」「繰り返される薬害」など、各県のとりくみを発表しました。
 一番の盛り上がりは、夜の交流会のキャンプファイアー。炎に照らされた看学生たちが、キラキラと輝いていました。(和歌山生協病院、木津いつ子)

★関東・甲信越地協★
第17回Nurse Egg Festival

 八月五~六日、山梨県石和温泉で開きました。『山梨でええじゃないか!? 石和で深めよう三つの愛 出会い ふれあい 助け合い』をスローガンに、看学生一六四人、職員六七人の計二三一人が参加しました。
 今回の学習テーマは「災害医療」。「災害医療とは何かを学び、被災者の気持ちや生活状況を知り、私たちにできることを見つける」が獲得目標です。東神戸 病院副院長の津川計子さんの講演、実行委員による寸劇、班討論、止血法の体得や非常食の試食など、様ざまな方法で学びを深めました。二日目は看学生たちが レポートを持ちより発表する分科会。交流会や班討論で仲を深めました。(新潟民医連事務局、野崎綾)

★東海・北陸地協★
第2回DANS

 八月一一~一二日、愛知邦和セミナープラザで開き、看学生三七人、職員四〇人が参加しました。 「心が届く看護~コミュニケーションってなんだろう~」がテーマ。オープニングは、いま流行のビリーズブートキャンプ。実行委員の看学生はこの日のために 猛練習。職員も見よう見まねで踊りました。
 講演は、岐阜大学医学部の藤崎和彦教授。コミュニケーションについて、ロールプレイニングを取り入れた講演でした。班討論では「コミュニケーションは難 しいけど大切。傾聴、共感も必要」と活発な意見がでました。最終日に二日間の出来事をスライドで再現。笑いあり、涙あり。「来年は職員として参加したい」 という看学生たちでした。(名南病院、岩佐明美)

★中国・四国地協★
第4回DANS

 「Life―ここからつながる未来への命」をテーマに、八月一八~一九日、島根県で開きました。看学生六六人、職員三八人の計一〇四人が参加しました。
 島根県の県庁所在地・松江市には原子力発電所があり、世界で一番危険ともいえる地域です。現在、三号機の建設がすすめられています。フィールドワーク で、中国電力の原子力館に行き、原子力発電のしくみや構造の説明を受け、原発やプルサーマルの危険性について学びました。分科会では「ワーキングプア」 「ハンセン病と人権」など、調べたことを発表しました。(島根民医連事務局、小林優子)

★九州・沖縄地協★
第5回「JEWL」in沖縄

 八月二三~二四日に開き、看学生、職員合わせ五六人が参加。メーンテーマは「平和と看護」、サブテーマは「命どぅ宝」。
 ひめゆり資料館の見学、仲西常雄医師(沖縄民医連)の講演「沖縄の医療の歩み」を聞き、班で平和について考えました。
(沖縄民医連事務局、大城藤枝)

(民医連新聞 第1411号 2007年9月3日)