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民医連新聞

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地域で医療を守る(13) 国保料の減免申請すすめる 相談会「ありがたい」 岐阜

 岐阜勤医協は、みどり病院で六月二六日、国保料の減免申請無料相談会を開催。「岐阜市国保を良くする会」が行う「集団減免申請会」につなぎました。その後、職員が減免制度の紹介に意識的になり、他市でも相談会を実施するなど、変化が生まれています。

 会場には定刻前からチラシを握りしめた人たちが集まり始めました。「国保料の減免申請無料相談会を開きます!」「高いと思ったらまず相談を!」と書いたチラシは、五月末に健康友の会の会員に送付し、みどり病院や各診療所で配布しました。
 二~三人の参加という予想に反し十数人(九世帯)にもなり、個別面談用にセットしていたブース三つを取り払い、急きょ全体説明会に変更しました。

「簡単な申請書」は運動の成果

 今回の企画は、「悪化する医療情勢」を学習する中、ある診療所事務長の提起から始まりました。しかし、職員も減免申請の手続きの詳細を知りません。そこで「岐阜市国保を良くする会」の一員、岐阜民商の人を招き、医事部会で学習会をしました。
 岐阜市は、県内二一市の中で資格証明書の発行数はトップです。でも、減免申請の用紙は簡単で、収入の現状と理由を書くだけです。「これは『国保を良くす る会』が長年運動してきた成果」という説明に、みんな驚きました。また、会がとりくんできた「要介護者の障害者控除の認定」の運動で、市が要介護認定高齢 者六二〇〇人全員に案内と申請書を発送し、申請者が三〇〇〇人を超えました。これら運動の成果と、減免申請の意義をあらためて学びました。

生活の実態を知ったら

 「どこに相談していいか分からなかったので、本当にありがたい」。相談会で、ある老婦人は夫の通知書を見せながら、生活の大変さを職員に訴え続けました。夫は身体が不自由で去年に廃業しました。「年金が少なくて、病院にかかれない…」。
 相談会の様子は、すぐに病院内で報告しました。地域の人びとの生活実態を知った職員に、少しずつ変化が現れました。「短期保険証の患者さんがみえた。減 免申請のことを説明したい」「失業したそうだ。減免を教えてあげたい」と意識的になりました。
 また、隣の関市で、こがねだ診療所が中心になり「関市の社会保障制度を良くする会」を諸団体とともに結成。さっそく対市交渉を行い、地域の人びとの生活実態をぶつけました。
 また、岐阜市の中心部にある華陽診療所でも、国保の相談会を開き、四世帯が来ました。「岐阜市国保を良くする会」は七月末「集団減免申請会」を予定し、参加を呼びかけています。
 みどり病院に近接するマンモス団地は、かつては子どもが多く活気に満ちていましたが、今では一番の高齢者地域です。毎日のように報告される生活困難事例は、今の行政の姿勢では必然的で、課題は山積しています。
 このとりくみで私たちは、民医連の病院がここにある意義を考えました。国保一部負担金の減額・免除などの運動もすすめたいと考えています。 (戸崎日月(とざきかつき)、みどり病院・事務長)

(民医連新聞 第1409号 2007年8月6日)