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民医連新聞

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診察室から 国会を診察する 小池 晃

東京民医連から永田町の国会病院に〝職場異動〟して、早いもので今年で九年。もう少しで、人間の病気よりも政治の病気の診療経験が長くなりそうです。
 ところが政治の病気はどんどん重症化。小泉政権から安倍政権になって、さすがにアメリカからも評判の悪い「侵略戦争健忘症」は、改善のきざしが見え始め ましたが、「アメリカ依存症」と「大企業べったり病」はますます悪化しています。
 「アメリカ依存症」の病状は、アメリカ以上に深刻です。昨年の中間選挙で共和党が大敗し、ブッシュ大統領もイラク戦争の再検討をはじめたというのに、い まだに日本政府は「正しい戦争だった」の一点張り。「アメリカ以上にアメリカ言いなり」という異常事態です。沖縄、岩国、神奈川などでの米軍基地強化も、 住民の声を無視してすすめようとしています。
 臨時国会では「やらせ」「さくら」で塗り固められた教育基本法の改悪を強行し、防衛庁を「防衛省」に格上げ。今年の国会ではいよいよ憲法改悪のための 「国民投票法」の制定をたくらんでいます。どれもこれも、アメリカといっしょに海外で戦争できる国づくりをめざすものです。
 「大企業べったり病」の病状も露骨にひどくなっています。庶民が増税の重圧に苦しんでいるときに、安倍政権が打ち出したのが「大企業減税」。「財政が苦 しいから」と庶民の増税や医療、介護の改悪、リハビリの打ち切りや難病制度の改悪を続けながら、ちょっと税収が増えると「大企業がたいへんだから」と大減 税。「病原菌」の政治献金は、外資系企業にまで広げる始末です。怒りを通りこしてあきれてしまいます。
 しかし病状の悪化に対して、国民のたたかいも大きくひろがりました。戦争を予防するワクチン=「九条の会」は、全国で六〇〇〇カ所に迫り、教育基本法改 悪に反対する集会は全国各地で過去最高の盛り上がりを見せました。一二月の国会では「看護師を増やして」という民医連の請願署名を与党も無視することがで きずに、全会一致で採択。
 二〇〇七年は、こうした病気に一番よく効く「選挙」の年。特効薬を活用して、力をあわせて政治の病気を退治しましょう。(参議院議員)

(民医連新聞 第1395号 2007年1月1日)