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民医連新聞

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連載 安全・安心の医療をもとめて(45) 青森・健生病院

輸液ポンプ・シリンジポンプの安全操作を評価、指導で徹底

 青森・健生病院では、輸液ポンプ・シリンジポンプを安全に使用するため、看護師を対象にOSCE(客観的臨床能力試験)による評価と実地指導を始めまし た。同院医療安全委員の岩城玲子リスクマネージャーと丹代朋久臨床工学技士からの報告です。

 当院では、輸液ポンプ・シリンジポンプの機種は、医療事故対策適合品に統一し、臨床工学技士が中央管理しています。操作マニュアルも作っていましたが、 看護師の理解はまちまちなのが現状でした。操作についてのチェックリストは作っておらず、操作をダブルチェックするのも困難でした。医療安全委員会ではこ の問題をどう解決するかについて検討してきました。

ポンプの正しい使用法 すべての看護師が学ぶ場を

 委員会では、看護師の機器操作に関する理解度を把握し、ポンプの正しい使用法を学ぶ機会が必要だと考えました。 そこで、『患者安全推進ジャーナル』(№8、№9)に掲載されたチェックリストをもとに、当院用のチェックリストを作り、OSCE(客観的臨床能力試験) による評価と実地指導をすることにしました。

 実施にあたっては、臨床現場と同様に操作するよう、評価者によって質問に差異が出ないよう、シナリオを作成。 チェック項目をもとに操作手順が安全、正確に行われているか評価しました。試験時間は看護師一人四〇分ほど。とりくみ開始二カ月で、看護師全体の九割近い 一五二人が終了しました。

問題点やあいまいな点 その場でいっしょに改善

 特に理解が不十分で注意が必要だった項目は、非常電源用のロック式コンセントの使用法でした。プラグを差し込むときに、回転させて、きちんとロックした看護師は少数でした。

 また電源を入れたとき輸液ポンプの自己診断機能を作動させ、活用した人が二割。輸液ラインの閉塞障害を取り除く前に、安全操作した人も二割ほどでした。

 問題点やあいまいな点は、その場でいっしょに改善しました。また、シリンジポンプがベッドより高い位置にあり、 シリンジの押し子が固定されないと起きる薬液の自然落下による過大注入などを再現しました。看護師はあらためて「自己流」の怖さや安全操作の大切さを認識 しました。

 始める前は、OSCEに対して、「自分のレベルが試される」という不安や抵抗感はありましたが、OSCEを受けた後は、「たいへんためになった」と、すべての看護師が感想を出しました。

 しかし、一方で「日常的に機器を使用していないと忘れそうで不安」という意見も出されました。今後は安全操作の意識を低下させない工夫が必要と考えています。

(民医連新聞 第1372号 2006年1月16日)

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