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民医連新聞

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看護もっと輝きたいの (6)始まる模索 医師・事務幹部と問題を共有し 北海道・高知

 看護師と医師のコミュニケーションが医療の安全性にも影響し、相互理解が働きやすさにつながります。看護の困難をどう医師や法人幹部に共有してもらうか、は解決へのカギです。看護師からアクションを起こすことで変化が生まれています。(荒井正和記者・木下直子記者)

事務幹部が師長会議に参加
[北海道

 北海道勤医協の峯田あけみ看護部長は、「六月に開いた法人の全看護師長会議で流れが変わった」と振り返ります。

 勤医協中央病院は、二〇〇四年ころから急性期病棟が抱える看護問題が急速に激化しました。若手、中堅の看護師の病欠や退職者が増え、欠員で病床の稼動を落とさざるを得ない事態に直面しました。

 本部看護部は、「看護の問題は管理の問題」と、全師長会議への事務幹部の参加を要請。会議には事務系幹部も多数 参加し、理事長が「看護問題を管理の最大の課題として」を講演。看護委員会は外来看護実態調査、一般病棟看護必要度調査・看護労働調査を報告しました。全 体討論では一三人が看護実践の数々を発言しました。

 これを期に、各管理部会議で院所の看護問題が議論され、対策が打ち出されました。法人の各会議だけでなく道民医 連の看護責任者会議や理事会で問題を共有。道内の全看護学校を、法人の幹部が手分けして訪問しました。法人では、全職員に向けアピールを出し、看護師、看 護学生紹介カードを作成。友の会にも「看護現場の危険信号」を発信し、紹介をお願いしました。

 札幌病院や勤医協中央病院では、管理部が看護職場のラウンドを開始。札幌北区病院では、事務職員が「短時間でも」と入院患者さんの見守りを買って出るなど、動きも始まりました。

病棟運営会議で風通し良く
[高知]

 「病棟運営会議を設置し、医局を巻き込んだ業務改善がしやすくなった。風通しが良くなりつつあります」高知生協病院の石橋里味総師長が緊急看護委員長・看学生委員長会議で報告しました。

 同院は昨年末、一般六〇床・療養五四床のケアミックスに転換しました。3:1看護を2:1看護に切り替え、三〇 日だった平均在院日数が一気に一七・八日へと減りました。外科、内科、 OP、 ターミナル…「治療が必要な患者」すべてを、一つになった一般病棟で引き受ける「嵐のような」状態に。

 三人夜勤三交替(早出一、遅出一)でスタートしたものの、さらに必要に迫られ、介護職の配置や、細かな業務改善 などの対策を続けています。病棟運営会議の設置はこの一環。運営医委員は、医師二、師長、主任、総師長です。月一回の開催で、前月の入退院数、業務量調査 の結果など病棟の報告と、病棟の看護師の部会で出た意見を出し、討議します。

 これまで総師長を通して伝えていた医師への意見を、直接出す場ができたこと、メンバーの医師たちが、医局に課題 を持ち帰り、話しあうようになったことで、一度で医師全体に伝わるようになったことが、現場師長に歓迎されています。また、この結果、外来診療の前に病棟 に来て指示を出そうと、出勤を早める医師が出てくるなど、医師の協力が実感できる場面も、少しずつ増えてきました。

 医局会や管理部会でも看護の問題が討議されるようになりました。「病院長が、看護の困難が全国的な課題だと認識 し、ささえよう、という姿勢になってくれていることも励み」と、石橋さん。「まだちぐはぐはありますが、看護も、ムダ、ムラ、ムリがどこにあるのか、業務 の書き出しで業務改善を考えるなど『現場が踏ん張ろう』と努力しています」。

※本連載へのご意見・ご感想、または情報などをお寄せ下さい。

(民医連新聞 第1369号 2005年12月5日)