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民医連新聞

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海を守りたい 理屈じゃない! 米軍基地いらない 第4次辺野古 支援・連帯行動

 「海上基地をつくらせない!」。沖縄・辺野古(へのこ)では、住民が一年半も体を張って建設を食い止めています。全日本民医連の「支援・連 帯行動」四回目が、七月二五~二七日に行われ、青年職員を中心に一一一人が参加しました。米軍基地・沖縄戦跡も見て、基地に脅かされる生活を知りました。 美しい海を守りたい、基地はいらない、という住民たちに共感、「帰ったら、感じた気持ちを素直に話したい」と青年たちは胸を熱くしました。(横山健記者)

 座り込みが始まり、七月二六日の今日で四六四日。朝七時に辺野古へ。そこには透き通る空と海がありました。「この真っ青な水平線がすべて滑走路になるの か」と、青年職員のひとりがため息をつきました。
 沖合い約二キロのところに鉄パイプで組まれた「単管やぐら」が見えます。現在、四カ所あるやぐらは、地盤のボーリング調査と海上基地の足場を作るために立てられました。
 当初の計画では、六〇カ所を超えるボーリング調査は終了しているはずでした。「現地住民や支援者がやぐらに座り込んで、調査を大幅に遅らせた。いまだに 一本の杭も打ち込ませてない」 、 ヘリ基地反対協代表委員の大西照雄さんが前日の講演で話しました。沖縄ジュゴンアセスメント監視団の東恩納(ひがしおんな)琢磨さんも、「ジュゴンの海を 守りたい。基地建設反対の裁判をアメリカでも起こしている」と語りました。
 前日の学習に背中を押され、やぐらへの座り込み希望者は五〇人に。中には「水着もないけど登りたい」という青年職員も。ボートに分乗し、「作業船が来る 前にやぐらを占拠する」と、出発していきました。

サンゴの上に立つやぐら

 やぐらへ登った群馬・看護師の甘田留美さんは「海にはクマノミがいっぱいで、いっしょに泳ぎました。この自然を守りたい」と。
 鳥取・看学対の石井みづほさんも「この海にはアジサシや海ガメも来ると、ずっと座り込んでいる人に聞きました。基地ができると渡り鳥や海の生物も影響を 受けると思います」。鉄パイプの危険なやぐらに半日座り込んだ感想を語りました。この日は作業船は来ず、「現地のみなさんの大変さを全部は感じ切れません でした」とも。
 医学生も二人参加していました。香川の奨学生、香川大学四年生は「陸とは違う緊張があって、重い空気を感じた。終わりが見えないのに、現地の人は明るく 振る舞ってくれた」と。群馬の奨学生の金沢大学四年生も「僕は『なぜ基地がだめなのか』を理論的に考えてきた。でも、この海と水平線を見たら、理屈じゃな い。基地なんていらないと思った」と。二人はこの体験を「医学生のつどい」で発表します。
 やぐらに登れなかったので、記者はボートで海上へ。やぐらは、水深四メートルほどの、まさにサンゴの棚の上に立っています。滑走路になる部分を船で走っ てもらいました。ここに基地ができたら、砂浜から水平線が消え、海には基地しか見えなくなることを実感しました。
 テント内では、船に乗る順番を待つ間、平和への思いを県連ごとに布地に書きあげました。白い砂浜にはカミソリのような刃のついた、アメリカ製鉄条網が二 重三重に張り巡らされ、ここからアメリカの領土だといわんばかりです。その刃先に平和のメッセージをひっかけていきました。

111通りの平和活動を

 漁港の入り口には、基地建設推進の住民テントもあり、基地に依存する沖縄の複雑な事情も知ることができました。 「住民の団結を崩す動きがあるが、負けずに完全中止まで続けます。ここを断念させることができれば、今後、他の場所でも基地をつくらせない大きな力にな る」と、大西さん。
 現地のオジイやオバアは、青年が来ると、「民医連かな?」と思うそうです。民医連がよく知られ、励ましていると聞きました。
 「天然記念物のジュゴンの海をいっしょに守ろう」「人殺しの基地をつくらせるな」の気持ちを一一一人が、新たにしました。それぞれの事業所で一一一通りの平和活動が期待できそうです。

(民医連新聞 第1362号 2005年8月15日)