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民医連新聞

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「国・メーカーは責任果たせ」 第30回 全国公害被害者総行動デー

 「なくせ公害、守ろう地球環境」と、六月九~一〇日に東京で、全国公害被害者総行動デー(同実行委員会主催)が開かれ、約九〇〇人が集まりました。
(横山 健記者)

 全国から、公害ぜん息患者やその支援者が日比谷公園に集まり、各地の公害裁判などの報告を行った後、「大気汚染の責任を取れ」と訴えながら、デモ行進を 行いました。
 デモ行進終了後は、二〇班に別れ、関係省庁への交渉に向かいました。
 都庁交渉では、排気ガスなど大気汚染に対する東京都の責任を追及しました。はじめは「国がやらないことは東京都がする」と豪語した石原都知事。しかし、 「公害対策は国の責任」と何もしません。参加者は「テレビで、『すす』の入ったペットボトルを振り回し、環境対策のパフォーマンスはしたが、公害患者には 何の補償もしてくれない。都民生活を優先する政治をしてほしい」と、怒りの声をあげました。

各地の民医連から医療班

 省庁交渉行動の終了後、参加者は日比谷公会堂で交流集会を行いました。
 今回の公害総行動には医療班として東京・愛知・大阪の民医連から医師と看護師が参加。大阪・耳原総合病院看護師の吉川安奈さんは「呼吸器病棟で毎日、ぜ ん息で苦しむ患者様の看護をしています。少しでも役に立てれば」と、早朝からの長距離移動の疲れも見せず、会場に設けられた医務室に来る参加者の看護にあ たりました。この日は、熱発や点滴が必要な人もいたもの、体調を大きく崩す人はなく、医療班はホッと胸をなでおろしていました。

イレッサ被害者も参加 

 一〇日は、前日に引き続いての省庁交渉行動とトヨタ自動車本社前での抗議集会を行いました。
 今回から公害総行動に薬害「ヤコブ病、イレッサ」の被害者・家族も参加。厚労省交渉では、ヤコブ病受け入れの公的病院を増やすこと、イレッサの副作用で 死亡した患者への賠償と服用患者全員の追跡調査を求めました。「イレッサ薬害被害者の会」代表の近澤昭雄さんは「六〇〇人以上が副作用で亡くなっている が、対策が後回しにされている。肺ガンだから(死んでも)仕方ないと考えているとしか思えない。生きたいと願うから飲んだんです」と、娘を亡くした悲しみ を訴えました。
 トヨタ自動車本社の前では、朝から自動車の排ガス公害に対して、メーカーが財源を負担する被害者救済制度を作ることなどを求め、抗議集会を行いました。
 途中から雨にも負けず、最後まで粘り強く訴えていく決意を確認しました。

(民医連新聞 第1359号 2005年7月4日)