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民医連新聞

民医連新聞

介護保険改悪 批判、不安ふき出す 緩和策を自治体へ要求

 六月二二日、延長された国会で、自民、公明、民主党が介護保険「改悪」法を、採決強行しました。二四項目もの付帯決議がつく問題だらけの法律です。全日本民医連は抗議声明を発表し、反撃を呼びかけました。各地で自治体へ働きかける準備や宣伝がとりくまれています。

健康相談で介護署名
埼玉協同病院

 当院の医局は、五月一三日の夕方にJR東浦和駅前で恒例の「駅前健康相談」を行いました。
 医師一〇人をはじめ看護師、事務職員ら約三〇人が参加。健康相談や血圧測定、体脂肪測定に、約五〇人が立ち寄りました。
 参加した研修医は「よっぽどの症状じゃないと受診しないのは、病院にかかりにくいのかなと感じた。生活や病気の不安をゆっくり聞くことができた」と感想を話しました。
 今回は特に、ハンドマイクで介護保険改悪反対を訴えながらの実施。署名も四〇筆集まりました。

自治体に「提案」準備を
長野県社保協

 当県に一〇二ある自治体の六割以上で「介護保険制度の改善を求める請願(陳情)」が採択されました。県内各地で介護フォーラムやシンポ、学習会が多数開かれています。
 県・地域社保協は、改悪が実施されても従来のサービスが受けられるよう、次の条例や事業を市町村に提案することを検討しています。
 一つは、保険料・利用料を所得に応じた負担にし、低所得者の減免・軽減制度をつくることです。国保法には、低所得者に対する医療費一部負担金減免制度があります。介護保険でも同様の制度が必要です。
 二つめは、軽度者が従来のサービスを受けられるよう、市町村が行う老人保健福祉事業の拡充を求めます。市町村が事業を継続すれば、不安を持つケアマネジャーやヘルパーの身分を守ることができます。
 昨年一一月に県が行った高齢者実態調査では、「施設入所で支払い可能額は五万円以下」と答えた人が四六・九%でした。
 三つ目は、介護保険外の養護老人ホーム・老人救護施設などの設置と活用です。措置制度の廃止により自治体の独自事業に変わったこれらを、お金がない高齢者が入所できる施設として使えそうです。
 市町村や議会に、住民とともに働きかけて行く予定です。

「介護110番」
宮城県社保協・みやぎ
高齢者福祉の里をつくる会

 「今でさえ介護保険料・利用料の支払いに苦労している。負担が増えたら利用できるか不安」「視覚障害一級で、私も妻も要介護1。ヘルパーさんは必要なの に…、どうすればいいのか」。不安と怒りの声です。 五月一二~一三日、当県社保協と「みやぎ高齢者福祉の里を作る会」が行った「介護保険一一〇番」に、 切実な訴えが次つぎとありました。
 二日間で四三件の相談。六割を超える人たちが保険料・利用料の値上げを心配していました。市町村合併による保険料の値上げや減免制度廃止の問題、相談窓 口の充実など、寄せられた意見や要望を自治体に届ける予定です。

行政の態度に変化が
神奈川・横浜勤労者福祉協会

 横浜市鶴見区では地域の社会福祉協議会、介護者の会などとともに実行委員会をつくり、六月一八日、介護保険シンポジウムを開きました。市・区職員、市 議、民生委員、老人会、民間事業者など一二〇人が参加しました。
 市の担当職員が介護保険の変更内容を説明、シンポジストやフロアから疑問や問題点、利用しやすい制度にするにはどうしたらよいか、などたくさんの意見が出ました。
 ヘルパーステーションの代表からは、「生活援助というが、今でも外出援助など必要なサービスの制限がある」、との疑問が。また地域包括支援センターと介 護予防での市のモデル事業者は、「制度のはざまにいる人たちの相談を受けなくてはならない。しかし、今の業務と両立できるか」と、不安を話しました。
 市はこれまで、ホテルコスト徴収はやむなし、との態度でした。しかし、シンポに参加した担当職員は、「市独自のホテルコストの負担軽減は、厚労省の担当 課長会議も受けて再度議論する」と見解を示しました。
 実行委員会では市民の声を市の事業計画に反映させようと、とりくみを引きつづき検討する予定です。

(民医連新聞 第1359号 2005年7月4日)