介護保険「改悪」法 衆院が可決
自・公・民 欠席者を呼び集めて採決「審議つくしてない」と怒り
衆院厚生労働委員会で「介護保険改悪法案」が採決されると聞いて集まった約二五〇人が、四月二七日衆院議員会館前で集会をしました。
吉井英勝議員(日本共産党)が「介護保険改悪の問題点はどんどん出てくる。審議は尽くされていない」と報告。大阪民医連の和田洋一さん、北海道民医連の 笠松信幸さんが午前中の傍聴や議員要請行動を報告しました。
笠松さんは「要支援・要介護1の比率が高い北海道では、改悪によって受ける影響が強い。自己負担が上がると、短期入所やデイケア・デイサービスが使えな くなる人も多い。今後も国会議員に要請活動を続けよう」と怒りと決意を語りました。
群馬民医連からは五〇人の新入・若手職員が研修の一環として参加。新入職員の薬剤師・村松愛さんは「国会へ初めて来た。祖母は足が少し悪く要介護1。ヘ ルパーさんに掃除、炊事のほか、薬を取りにいってもらい、おかげで自立した生活ができている。介護保険ではヘルパーさんの存在が大きい」と話しました。同 じく初参加した薬剤師の高田理恵子さんも、「署名活動にとりくんだ」と話しました。
いい加減な審議で採決
午後から厚生労働委員会の傍聴には八〇人以上がつめかけました。ところが質疑は予定より三〇分ほど早い三時三〇分に終わってしまい、自民党・民主党の議員が慌てて、来ていない議員に電話をかけて呼び集めるという醜態のあげく、自民・民主・公明の賛成多数で可決しました。
傍聴者たちは、その後抗議集会を行いました。
一日中、委員会を傍聴した北海道のケアコートひまわりのケアワーカー・坂本奈巳さんは「腹が立つ。質疑の時には議員席は空席が多かった、採決の時にはす べて埋まる。与党も民主党も真剣さに欠ける。制度が変えられると人生設計が大きく狂う人がたくさんいる。制度を利用している人たちに法案を審議させてほし い」と怒りました。参加者は口ぐちに「もっと多くの人に現状を知らせていきたい」と語りました。
今後、審議は参院に移ります。廃案に向けたあきらめないとりくみが必要です。(横山 健(たけし)記者)
(民医連新聞 第1356号 2005年5月16日)
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