矛盾だらけの介護保険「見直し」資料を示して自治体交渉を 介護・福祉事業者会議に199人
介護保険「見直し」をめぐる情勢とたたかいについて認識を一致させ、各地の経験に学び、事業と運動のすすめ方を検討することを目的に、一一月一二~一三日、大阪市内で介護・福祉事業責任者会議を開きました。一九九人が参加しました。
最新情報を盛り込んだ基調報告、五つの指定報告、講演を受け、「新たな事業課題」「事業整備」「実態調査と自治体交渉」をテーマに分科会で経験交流。「小規模多機能施設」「自治体との対応」「介護予防」でセッションを行いました。
人を切り捨ててはならない
長野大学の石田一紀教授は、厚生労働省が「見直し」で給付抑制と負担増をすすめる根拠としているデータは「もと の研究データを都合良く曲げて利用したもの」と指摘しました。また「『小規模多機能の施設』でカモフラージュし厚労省は介護に市場原理を持ち込もうとてい る。障害を持ち貧困の中で孤立している高齢者から情報も支援も奪い、ヘルパーの仕事をなくすという、人そのものを切り捨てる『見直し』の方向は、矛盾を深 める」と指摘。「社会の谷間にいる高齢者を主人公にした個別事例を示して行政と交渉し、雇用と社会保障の改善に意識的につなげていくことが大事」と述べま した。
「実態調査と自治体交渉」の分科会では、各地から事例調査や自治体交渉について報告。介護保険の改善要求が多くの事業者に共感され、運動が広がる可能性がある、との発言がありました。「資料をパネルなどでわかりやすく示して自治体交渉に臨もう」との提案が出されました。
(民医連新聞 第1345号 2004年12月6日)