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民医連新聞

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兵庫 「水害に負けないで」2623件を訪問

ろっぽう診療所

 【兵庫発】たじま医療生協・ろっぽう診療所は、医療機器やカルテ、薬品などが水に浸かり、約二五〇〇万円の被害 を受けました。 水の引いた二二日から片づけを開始。イス、机、パソコンなどすべてを外に運び出し床の泥を流し、夕方までに臨時の診察室を作りました。カ ルテは貼り付いたページを水ではがし、間にビニールを挟み、X線フィルムは水で洗い流すという膨大な作業でした。

 対策本部では、(1)被害のひどい職員宅への支援、(2)診療所前にテントを出して救護や健康相談をする、(3)組合員の安否確認と健康チェックなどの実施を決め、翌日からとりかかりました。

 職員・組合員と近県や地協からの支援者は、二三日が七二人、二四日が一〇〇人、最終日の一一月三日は一二一人というように連日多数集まり、復旧作業と支援活動を急ピッチですすめました。

 訪問すると、あちこちにゴミや家具の残骸が目につき、無事にみえるマンションもエレベーターと給水ポンプが壊れていました。五階で困り果てていた高齢者に水を運び、励ましました。

 「片づけで疲れ切っている」「眠剤がほしい」「子どもが不安がる」「食べられない」などの訴えが多く、薬がないとか、血圧が高い人などもいました。その 場で診察したり、診療所に送迎しました。悪臭や埃のなか、ぜんそくや風邪の症状があるのに「受診どころではない」という人もいて、マスクを手渡しました。 こうして一一月三日までに二六二三件を訪問しました。

 ろっぽう診療所には、新しい機器類が徐々に運び込まれ、ほぼ通常診療が可能なまでになりました。しかし一〇日以上経っても復旧がほとんどすすんでいない地域がまだあり、心身の健康管理とともに、元気づけるとりくみが必要です。

 「絶望のどん底だったとき、支援に来てくれた皆さん、募金を寄せてくれた皆さんに感謝します。新潟もたいへんだが、ともに復興にむけて励まし合いたい」と、前田貞夫理事長は述べています。

(日高誠・兵庫民医連)

(民医連新聞 第1344号 2004年11月15日)