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民医連新聞

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私と憲法(10) 本当の歴史の勉強 沖縄ジャンボリーの「体験」から

小林賢一郎 (奈良・おかたに病院)

 いま奈良民医連のジャンボリー実行委員会では、「憲法をしっかり勉強しよう」と決めています。

 今春から月一回程度、県連三法人の委員が回り持ちでチューターになり、みんなで討論するという学習を続けています。

 テキストはやさしく書いてある本です。「英語で日本国憲法を読む」こともやってみました。英語で読むと解釈を変える余地がないことがわかります。

 『新しい憲法の話』では、新憲法が公布された時代の状況を知りました。この本は当時の小学生や中学生向けに書かれたものです。今から見ると、民主主義の理解が不十分なことなど、違和感がありますが、国民が新憲法を歓迎し学ぼうとしていたのですね。

 みんなで考えを出し合うと、「そういう見方もあるのか」と、新鮮に感じて楽しくやっています。

 学習会をとりくむ刺激になったのは、沖縄ジャンボリーに参加したことです。 同世代の青年のガイドでガマに入っ たり、戦争体験者からじかに聞いて知ったことは、教科書に載っていないこと、これまで勉強したことがないことでした。年号を追うような歴史の勉強じゃダメ なんだ、と強く感じました。

 「平和」が問われているのは、沖縄だけじゃない。「米軍ヘリ墜落事故」だって、まるで沖縄だけの問題のように報道されるけれど、日本全体に関わる問題です。

 サッカーアジア杯の日本戦で中国の観衆からブーイングが起きたことを、日本の青年は「何でやねん?」と思ったか もしれません。けれどそれは、過去における日本と中国の歴史を詳しく知らないからだと思います。韓国では、米軍による少女の轢殺事件以来、全国的に青年が 立ち上がっています。

 それと違って、日本では青年が冷めている感じなのは、「教育」の問題じゃないかと思います。

 大学時代の友だちには、教師になりたくてもなれない人が多くいました。私も民医連に来る前に、「自分に合った仕事は何だろう、英語を生かした仕事がしたいな」と思って、フリーターをしていた経験があります。青年が希望を持てることも大切だと思います。

(民医連新聞 第1340号 2004年9月20日)