地域守るには、仲間ふやさんと 「月間」を語りあう職員と友の会
-石川・羽咋(はくい)診療所の仲間たち-
一〇月から「共同組織強化発展月間」がはじまります。憲法、社会保障への攻撃を跳ね返すためにも大切な仲 間づくり。今年度目標の構成員一〇万増、『いつでも元気』五〇〇〇部増にダッシュする「月間」です。石川・羽咋診療所では、八月一九日、職員と羽咋健康友 の会の役員が「今年の『月間』にどうとりくむか」意見を交換するため、テーブルを囲みました。(荒井正和記者)
羽咋診療所は、健康友の会とともに二〇〇二年に移送や配食サービスを立ち上げ、二〇〇三年にグループホームを開設し運営しています。いまやお互いになくてはならないパートナーです。
今年から職員が交替で、友の会役員会に参加しています。この日の参加者は二二人。職員八人、友の会役員一四人です。
地域の状況出し合い
友の会事務局長、秋山暁子さんが「今日はなぜ『月間』にとりくむのか討論しましょう。疑問や意見をどしどし出して」と呼びかけました。
友の会副会長の貝崎昭弘さんが口火を切り、「医療改悪反対の署名は、全国三〇〇〇万筆のうち民医連が三五〇万筆を集めたんだね。友の会をもっと大きくすれば、年金だって巻き返せるし、世の中を良くできる」と、全日本民医連の三六回運動方針をめくりながら発言しました。
ケアマネージャーの山西信子さんは「高齢者世帯が増え、要支援の人が介護している場合も多いのよ。行政と連携して、地域への目配りをしていかないと、だんだん住み続けられなくなる」と地域の状況を話しました。
北川有一さんは友の会の事務局員で、移送サービスを行っている結(ゆ)いの会のボランティアでもあります。「今 日、患者さんを送っていったら、その人、生活しにくくなったのは何でやねっ! て聞いてきた。皆、不満があるんや。みんなで運動すれば、解決方法がみつか る」と強調しました。
稲元郁代事務長が提案しました。「今年の課題は、友の会を大きくして、班会にすべての職員が参加すること。介護 保険制度が改悪されると経営的にもたいへんです。軽度要介護者がどうなるかも心配だし、自己負担が増えたら利用しにくくなる。『月間』では、このことを多 くの人に知らせ、誰でも班会で説明できるよう、平和と介護保険のビデオを完成させましょう」。
司会の白田秋也友の会会長は、「今日の役員会は、久びさに全員が発言しましたね。『月間』を成功させましょう」とまとめました。
職員と友の会の共同が地域を変えた
職員と友の会はこのような話し合いが最初からできる関係だったわけではありません。移送や配食、グループホームをいっしょに立ち上げたことから大きく変化しました。
羽咋市では「受診や買い物ですら交通手段に困る」との声が多数あったり、お昼をきちんと食べない高齢者が多く、 「配食サービスがほしい」などの要求がうずまいていました。そこに、ある会員さんが「痴呆の高齢者が安心して住める家をつくって」と土地の提供の申し出が あり、これを実現するために職員も友の会も必死になりました。
稲元事務長は、「関わる機会をたくさんもつとお互いの理解が深まるんです。最近になってわかった」と言いまし た。「以前、友の会は『職員は何もしない』と言い、職員は『友の会が遠い』と言う。お互いが全然交わらなかった」と振り返ります。今は、平和盆踊り、餅つ きなどの行事は、職員と友の会の共同のとりくみです。
井(い)海(かい)江利子所長は、「事務長とは同性でもあり、いろいろ話をしているうちにアイデアやひらめきが浮かんでくる」と言います。友の会からの励ましにも喜びと希望を感じています。
稲元さんと秋山さんは、「井海所長との女性三人のトライアングルに、友の会三役の男性が加わって、役員会があって、ボランティアがいる」とほほえみます。
「夢が実現していく楽しさを周りの人にも伝えたい」と、二人の明るい声が響きました。
(民医連新聞 第1339号 2004年9月6日)