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民医連新聞

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あなたの職場におジャマしま~す(6) 山口・あおば薬局

外との連携大切に―
めざすは「地域のかかりつけ薬局」

 今月おじゃましたのは保険調剤薬局です。「他の医療機関や福祉施設など、外との連携を大切にしています」。山口県宇部市にある「あおば薬局」(㈱保険企画)から、こんなお便りが届きました。(木下直子記者)

 海に近い駅を降り、住宅地を少し行ったところにある三角屋根の空色の建物があおば薬局でした。

 「このお薬は納豆を食べると良くないことをご説明しましたが、気をつけて下さっていますか?」「お家に残ったお薬はありませんか? 『お薬手帳』をみせて下さいね」…窓口では、処方箋を持ってきた患者さんに、薬を手渡しながら、ていねいなやりとりがされていました。

 同事業所は九一年にオープン、二〇を超す医療機関や福祉施設の患者さんの調剤を担当しています。

「視野がひろがった」

 「在宅に服薬指導にまわる場合とは違い、窓口で短時間接するだけでは、患者さんの様子はなかなかつかみきれない」と、歌川範代薬局長は、外との連携の大切さを語りました。

 「連携」といってもいろいろです。市介護事業者の会議、県連薬剤師の交流会、退院前カンファレンスに呼ばれるこ とも。宇部市の介護事業者のブロック会議はその中のひとつ。あおば薬局は、介護事業所として、また同市薬剤師会の代表も兼ねて出席しています。「この集ま りに出て、視野が広がりました」と歌川さん。毎月一度、症例検討や学習会をする中、ヘルパーとの連携やケアマネとの連絡を強める必要性を見つけるととも に、他の職種の悩みなどが分かってきた、といいます。

 また、二年前からは向かいにある宇部協立病院が毎日開いている、気になる患者のカンファレンスへも顔を出しています。病院側は、「あおば薬局さんが参加してくれるようになって良かった」。「知らなかった情報がたくさんもらえます」と、同院の津守ヨシエ外来師長。

 複数の医療機関でお薬が出ていたり、「残薬が大量にある」という患者さんの情報が薬局から出されます。あらため て診察した結果、痴呆症がわかった例、病院を受診した患者さんで、本人に確認の上、処方箋がファックスされていたにもかかわらず薬局に寄らずに帰っていた 事例も、お互いの情報を持ち寄って判明しました。この患者さんは薬代を節約しようとするほど、生活に困っていたことが分かり、対応することができました。

 このカンファレンス、六人の薬剤師全員に参加経験があります。「医師と看護師のやりとりを知ることができた」「服薬指導に大切な生活環境がわかる」「患者さんの苦しい気持ちがわかった」などが感想。

 「私たちの方も、助けられています。保険薬局だけでは把握できない部分を、看護師さんなど外からの情報で補い、患者さんの全体像を知ります。痴呆の有無や、生活の事情など、いろんな視点から一人の患者様をフォローしてさしあげることが可能になるんです」と、歌川さん。

 「いくつかの医療機関に併せてかかっている方は多いですし、介護の場でも配薬の大切さを再認識してもらい、私たちに専門管理させてもらえたら…。薬剤師一人ひとりのレベルアップも求められますけれど、地域での『かかりつけ薬局』をめざしたいんです」。

(民医連新聞 第1339号 2004年9月6日)