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民医連新聞

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私と憲法(8) 憲法にある「暮らしの保障」堂々と使おう

奥宮弥生(高知生協病院)

 SWになって三年目、仕事をこなすのに精一杯だった私が、困難な患者さんの背景や、自分の仕事を深く考えるようになったのは、県連の社保推進委員を引き受けてからです。

 社保推進委員会の先輩たちにも恵まれました。会議ではレジメがあるのに話が飛び、患者さんの名前や実情がたくさん出てきます。とにかく患者さんの姿をよく知っていました。信頼されているからこそと、圧倒されました。

 ある日「気になることはない?」と聞かれ、「高額医療費の貸付制度があれば、助かる人がいるんだけど」と話しま した。診療圏にある春野町には、高知市などと違い、制度がありません。話がトントンとすすみ、春野町と交渉することに。共同組織にも参加を呼びかけ、要求 書を作成し、先輩は段取りを、私は数人の事例をまとめる役目をしました。

 交渉の場で、町側は「具体的な事例を知らず、実情が分からなかった」といい、制度をつくることを表明しました。「やった!」。

 この経験で「何かをすれば変わるのだ」と感じたことが、私の基盤になったように思います。

 困っても、町役場に言いに行くのはたいへん。まして高齢者は、支援を受けることにためらいもあります。「くらしの保障」はあいまいにされ、制度がなかったり分かりにくかったり、「当然の権利」として認識されていると言えません。

 憲法は、仕事上知っているつもりでしたが、条文をきちんと読んではいませんでした。青年JBの県連委員長と全国の委員になり、あらためて読みました。

 一〇月に開催する地協JBのテーマは高知にちなみ「自由と平和」。県連JBメンバーで戦跡をめぐり、学習し、準備中です。本当の「自由と平和」を、同世代とともに考え、広げたい。

 同時に、患者さんには、「くらしの制度は胸を張って利用しましょう。憲法にあるんだから使おう」と呼びかけていきます。

(民医連新聞 第1338号 2004年8月16日)