6・5シンポジウム シンポジウム参加者の声は――
新聞報道などでシンポジウムを知って来た医療労働者や医療事故被害者の姿が目立ちました。会場でインタビューしました。
■医療界が姿勢を変えてこそ■ 医療事故被害者の遺族
消毒薬の誤点滴で妻を亡くしました。最初、医師は「急な心肺停止」と説明…病院が事実を隠したため「事故」が「事件」になりました。刑事裁判では、診断書の虚偽、届け出違反が問われました。
医療事故の被害者には、訴訟もできない例が多い。うやむやでは故人に申し訳なく、納得もできません。
今日の話で、事件解明と事故防止には病院外の人を入れた調査が大事だとわかりました。妻の事件は、担当看護師のミスではすみません。まず医療界が自浄作用を働かせてこそ「第三者機関」実現に近づきます。
■今日を出発点に、実現のアクションを■ 弁護士
立場の違う四人の話が聞け、問題の所在が明らかにできて良かった。今日を一つの出発点に、厚労省、国会議員、医師会、弁護士会、医薬関係企業などをどう動かし「第三者機関」を実現するか、検討と具体的な行動が必要ですね。
■役立つ考え方を得られました■ 大学病院の看護師長
事故防止には日々気を配っています。私の病院でもリスクマネジャーや安全委員会を設置しています。今日はその委員として、役立つ考え方が得られました。でも、事故対策の先がなかなか見えず、正直気も重い。
また、医療事故の被害者のつらい思いを聞き、一人でもそういう人を少なくしたい、早く救済することが大事だ、と思いました。
■私もミスしたことがあります■ 公立病院の看護師/RM(リスクマネージャー)
院内に貼っていたポスターを見て参加。元気が出るシンポで、来て良かった。患者が権利に目覚めるのは良いことです。
逆に、私にはミスの経験があり、つらい思いもしています。注意していても起きてしまう医療事故を、個人責任にするのは問題です。
院内にも安全管理対策委員会やリスクマネージャー会議ができ、転倒・転落などは隠さず報告されるようになりました。また、総合相談室ではSWと看護師が、患者の苦情や悩みなどを聞いています。
■準夜勤務前にかけつけました■ 日赤の看護師
院内の安全委員会でインシデントアクシデントの事例検討はされていますが、根本的な問題解決には何が必要か、意見を持ちたくて、準夜勤務の前でしたが来ました。
診療報酬の高い方へとシフトする医療、それに伴うめまぐるしい職員異動…利益を出すことに振り回され、危なっかしくなる医療を、現場でなんとか食い止めている感があります。第三者機関は、ぜひほしい。
■事故隠しはダメ。患者側も学ぶ必要が■ 大学教員
医療訴訟を研究し、いろいろとみてきました。事故を起こすと、患者に情報を隠そうとする医療機関は少なくなく、こういう動きは認めてはいけないと思いま す。でも、患者側にも「何でも病院が悪い」ではなく、学んで客観的な視点を持つことが求められていると思います。
(民医連新聞 第1334号 2004年6月21日)
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