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民医連新聞

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あなたの職場におジャマしま~す(2) 奈良・土庫(どんこ)病院ひまわり保育所

母さん・父さん職員をささえる私たち

 民医連で働くお母さん・お父さんをささえる院内保育所。土庫病院ひまわり保育所は奈良県大和高田市 にあります。一九七〇年、「安心して子どもを生み育て、いきいき働き続けたい」という職員の声からつくられました。平屋の建物から、子どもたちの元気な声 が聞こえてきました。(鐙(あぶみ) 史朗記者)

 玄関のドアを開けると、顔中で笑って、子どもたちが迎えてくれました。「子どもたちは、みんな仲良し。けんかも するけどいじめはありません」と、主任保育士の浅野嘉代子さん。ここには、土庫病院に勤務する職員の〇歳~小学三年生までの子ども四五人が通い、九人の職 員が昼夜交代で働いています。日々の昼間保育とともに月に六回のお泊まり保育をしています。

 あいさつもそこそこに、さっそくピアノの伴奏にあわせてリズム体操です。部屋じゅうを元気に走り回っていた二、三歳児や保育士さんの手をとって遊ぶ〇歳児がまん丸の目で、私を見つめました。

 おやつの時間。牛乳とキウイフルーツ。牛乳を飲んで、口の周りに白いおひげをつくり「できたかな?」お互いに見せっこ。「ほらできた」と保育士にも顔を向けます。「よくできたね」とほめられ、ニッコリ。どの子の顔もいきいきしていました。

 散歩を終えてから、昼食タイム。メニューは、おひたし、うどん、おにぎり。栄養バランスがとれた食事作りは保育 士の仕事です。子どもたちは、お箸を上手に使っていました。「お家のご飯とどっちがおいしい?」と聞くと、三歳のしょうた君が「みんなと食べるご飯」と答 えてくれました。おかわりのおにぎりは別の机に置かれていて、子どもたちはそこにとりに行きます。自分でとりに行けることをはげみに、食べる意欲を育てる 方針です。

* * *

 また、近接する土庫こども診療所と連携し、子どもとの接し方や手作りおもちゃの紹介をする「発達学習会」を開いています。

 目玉は、小児科医のお話です。発達の段階によってどう子どもに接したらよいかを実例で説明します。講義内容をも とに保育士とお母さんの実習もあります。離乳時期の悩みには離乳食を試食、味付けの確認も。「普段あまり食べない子が食べてくれて、お母さんが喜んでくれ る。これが最高に嬉しい」と浅野さん。

 お母さん同士が仲良くなってメール交換をしたり、参加者がご近所の人を紹介したり、仲間が広がっています。友の会員が対象なので、未加入の人には、その場で入会をすすめています。

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 二年目の森本亜紀さんは以前、一三〇人の子どもをみる公設民間保育園で働いていました。昔から知り合いだったおばさんが土庫病院に働いていました。スーパーでばったり会って思わず「しんどい」と話したところ、ひまわり保育所に紹介されました。

 「子どもたちが少ない分、雰囲気が暖かい」でも「お泊まり保育の時に寝られない」という苦労も。

 森本さんは昨年、沖縄ジャンボリーに参加しました。「平和学習でも生なましい話を聞いて、絶対戦争はいかんと思った。班の人とも仲良くなれたし、いろんな職種の人と話ができてよかった」と目を輝かせました。

 三年目の高澤三佳子さんは「家に帰っても水道の音が赤ちゃんの泣き声に聞こえたこともあった」と新人時代の話をしつつ、「子どもたちといっしょに成長させてもらった」と、振り返りました。

 「みんな、自分の娘みたいな関係で接しているんです」と言う浅野さん。「次の時代を担う世代をここでも育てない とね。民医連のことをしっかり考えてくれるのがすごく嬉しい。子どもと感動をともにできる保育士になってほしい」。子どもも育てながら、若い職員も育てて いる職場なのです。

(民医連新聞 第1331号 2004年5月3日)