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民医連新聞

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「在宅酸素の電気代助成します」鳥取市議会 あきらめず実態調べ市を動かす-鳥取医療生協-

 鳥取市議会では昨年末、「在宅酸素療法適用者の在宅酸素療法にかかる『電気料金』の助成制度の確立を求めます」の請願が採択されました。鳥取医療生協の職員と理事が、市内にいる在宅酸素の患者さんから要求を聞き取ってすすめた運動によるものです。

 【鳥取発】電気代助成のの請願は、鳥取医療生協では、九月にも高額療養費制度の改善項目とあわせて行っていたものでした。ところが、電気代の助成部分だ けが不採択になりました。実はこの項目は、宇部協立病院(山口)の機関紙を読んで「なるほど」と思い、急きょ請願項目に付け加えたものでした。
 そこで、「患者さんの状況が理解されていないためではないか」と考え、「患者さんから生活の実態や要望を聞き取り、その結果をつけて、もう一度請願を出そう」ということになりました。
 医療生協の「くらしとまちづくり委員会」の理事さんと、病院社保委員会の職員がペアになり、一四人の在宅酸素療法中の患者さん宅を訪問しました。
 聞き取りの結果、在宅酸素のためにかかる電気代は毎月二五〇〇円~三〇〇〇円が最多でした。しかし、患者さんたちは、動くことさえ苦痛です。通院するた めのタクシー代はじめ、医療費の上に、さらに出費が多いことがわかりました。「せめて、電気代の助成があれば助かる…」という声が患者さんから出ました。

ついに採択

 一二月、調査報告を請願書につけて再び提出しました。今度は保守系を含めた四会派が賛同。その結果、企画福祉委員会では全員一致で通り、市議会でも採択にこぎつけました。
 やっと請願が採択されたばかりで、予算がつき、制度化が実現するまでは、手放しでは喜べません。がその後、福祉部長に確認したところ、「部として電気代助成の予算請求をします」という答えでした。

職員が地域に出て

 朗報は即、調査に協力してくれた患者さんに手紙で知らせました。
 高齢者負担増が実施されるまでは約一八〇人が、在宅酸素をしていたのに、今は約一四〇人です。負担増を境に、治療をうち切った人が三八人いました。それらの患者さんのことが気にかかります。
 在宅酸素療法患者への電気代助成制度は全国でもまだわずかの自治体しか実施していません。今後、鳥取市の制度化を早急に実施させてゆきたいと考えています。
 一四人を対象にした訪問でしたが、病院職員が地域の患者さんのもとに向かう活動は最近できていなかったので、良い経験でした。
(鳥取生協病院、富永茂寿)

(民医連新聞 第1325号 2004年2月2日)