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民医連新聞

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被爆者健診の充実を求め厚労省と交渉

全日本民医連・被爆問題委員会は一二月一一日、日本被団協とともに、被爆者健診の充実を求めて、厚労省と交渉しました。
 被爆者健診の項目は、一九五七年に制度が発足して以来、変更されず現在にいたっています。そのため医学的にも不十分で、被爆者(二世も含む)の要求にも 応えていません。そこで老健法の成人病検診項目に準じた内容にすること、また各種のガン検診を加えることを要求したものです(表)。
 交渉には、全日本民医連の聞間元委員長、神和久医師、青木克明医師含め一五人が臨み、小池晃参院議員が同席。被団協からも五人が出席。厚労省の健康局総務課が対応しました。
 「健康管理手帳の対象であり被爆との関係が認められている疾患でさえ、現行の検査項目では診断できない。それに被爆者の動脈硬化がすすみやすいなど最近 のレポートを見れば、現行の健診は時代遅れだ」「被爆健診でカバーできず、住民基本検診を受けろと言うのでは、税金のムダづかいではないか」「被爆二世に もガン健診を認めるべき」など、医師の立場から問題点を鋭く指摘。被団協からも「被爆者が高齢化していることを考慮してほしい」など切実な訴え。
 厚労省は「今のままでできるはずだ。変えるには費用がかかるので、検討させていただきたい」などと答弁しました。


被爆者健診に加えるよう要求した内容

1.一般検査項目に以下を加えること
(1)心電図検査
(2)血液検査:総コレ、HDLコレ、中性脂肪、血糖、HbA1c、LDH、γ-GTP、血小板数、血清鉄、総蛋白、BUN、クレアチニン(12項目)
2.ガン検診として選択・追加を認めること
(1)胃内視鏡検査、合わせてグルカゴン注を検査補助薬として認めること
(2)腹部エコー、前立腺腫瘍マーカー、マンモグラフィー
※現行の被爆者健診は、白血病や肝障害の診断のみを想定している。現在の被爆者の健康管理の重点が、成人病や各種のガンにも置かれていることからみて、極めて不十分となっている。

 (民医連新聞 第1324号 2004年1月19日)