安心・安全の医療をもとめて(12) 東京・中野共立病院
感染対策チェックを他病院に依頼して
東京・中野共立病院では、院外の人の目で感染対策を評価してもらおう、と代々木病院の職員を招き、病棟のチェックを依頼しました。感想は「受けて良かった」です。
【東京=関雅之通信員発】中野共立病院の感染委員会では、代々木病院の感染コントロールチームを招き、病棟の感染チェックを行いました。
「代々木病院では、がんばって感染対策をすすめている、と聞いていましたから」と総師長の藤原千鶴子さん。また、同委員会では同じ運営ブロックになった 代々木病院との交流も、具体化したい、とかねてから話し合っていました。
当日は二つの病棟をラウンド。院長や総師長、薬剤師、事務次長、各病棟の感染委員の看護師らが立ち会いました。代々木病院からはデジタルカメラ持参でオ ペ室の看護師と薬局長が来てくれました。すみずみまでていねいに見て、気になるところは写真におさめてゆきます。所要時間は予想をオーバーする一時間あま り。ラウンド終了後は会議室で撮ったばかりの写真をみながら助言を受けました。
指摘された部分は実に四十数カ所。まず、環境の問題が指摘されました。「ビラやポスターなどの掲示物が多いこと」→「壁が拭けずにホコリがたまる」/ 「植木などのグリーン」→「鉢の中にカビが発生、ホコリもたまりやすい」をはじめ、エアコン清掃、感染患者の部屋で使うガウンの保管方法、血圧計のマン シェットの洗浄など。さらに「手洗い」では、七人のうち六人が「不十分」と指摘されました。
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「きてもらって良かった」と、藤原総師長。これ以降、すぐにでも改善が可能なところから着手しています。「『これでいいのか?』と思いながらやってきた ことを、的確に指摘してもらえたと思います。他病院の評価を受けたことで見直し、考える良い機会になりました。感染対策の徹底を図るために、月に一回『ラ ウンド日』を設けて自己点検を始めました」と話しています。
(民医連新聞 第1315号 2003年9月1日)
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