全日本民医連と日本病院会が懇談 事故調査の第三者機関早期設置で一致
全日本民医連は、「医療事故を調査する第三者機関の創設を求める要望書」を厚労省に提出するとともに、推進のために医療諸団体との懇談を行っています。四月二三日は社団法人日本病院会を訪問しました。
日本病院会では中山耕作会長、山口和英事務局長が応対、なごやかに懇談が行われました。
肥田会長は、「要望書」の趣旨とともに、四月八日厚労省へ申し入れた際の担当官の答弁も紹介。「いま厚生労働省が打ち出している、事故報告を収集する第 三者機関の設置については、医療安全をすすめる上で一歩前進と受け止めている。しかし、原因究明と再発防止のためには、事故の際に、警察の捜査に優先する 権限をもった第三者機関が必要」と説明しました。
中山会長は「市民参加も保障された第三者機関がのぞましい。医療事故問題が解決しないことで、最も被害を受けるのは患者さんであり、被害者の救済と原因 究明のための機関が早急に求められる」と、要望書の趣旨に賛意を表明しました。また、警察の捜査が優先する現状については「起訴を目的にカルテや臓器まで もが押収されてしまうと、医療サイドからの原因究明ができなくなってしまう」と実例もあげました。
話は医療の安全性をめざす活動に及び、山口事務局長は、日本病院会も構成員である四病院団体協議会として医療安全管理者の教育課程を検討しているとのべました。長瀬事務局長は、民医連でのとりくみを紹介し「この問題にはぜひ協力してとりくみたい」と申し入れました。
その他、医療提供体制の問題や、一八〇日超入院の特定療養費化、医療費負担増の影響などについて意見交換。中山会長は「一八〇日超入院の特定療養費化は乱暴」と批判。「医療上、必要な患者さんの入院は認めるべきで、除外規定の拡大が必要」と述べました。
(伴香葉・全日本民医連事務局)
(民医連新聞 第1308号 2003年5月19日)
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