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民医連新聞

民医連新聞

50周年健康チェック第1弾 血圧はかってひと安心!

 「4月7日の世界保健デーの前後に、共同組織とともに青空健康チェックを」。民医連50周年記念行事の呼びかけに応え、全国でとりくみが行われて います。7日、千葉・津田沼駅前では、船橋二和病院と健康友の会が45人の健康チェックを実施しました。友の会員7人、新入職員2人を含む職員7人が参 加。イラク戦争反対署名が38筆、医療署名が41筆集まりました。

医者にもかかれない 元に戻せ!医療費

 健保本人三割負担が実施され、高齢者医療制度が閣議決定された中、健康チェックに立ち寄った市民にずばり聞いてみました。「医療費負担について、どう感じていますか?」

 働いていた時ずっと保険料を払い続けてきたのに、病気がちになって医療費があがるのは腹が立ちます。年金が少なくて、暮らしていくのがやっとなのに。(六八歳・女性)

 「七〇歳までがんばれば」と思って健康に気をつけてきました。これからは「安心できるとき」がなくなるなと思い ます。「病気ばかりする人には、自己負担してもらってもよいのでは…」と思ったりしますが、これはゆがんだ考え方ですよね。年金でゆとりのない生活をして いて、自分がこんな気持ちになるのはイヤですね。みながゆとり持てればね……。(六七歳・女性)

 三割負担に突然上げるなんて理不尽。この政権になってから、こんなことばかり。イラク戦争にも賛成してるじゃないですか。怒りを通り越してあきれてしまう。(三四歳・女性)

 高齢者医療制度ですか? 介護保険みたいなもの? だったらおかしい。介護保険はおかしい。高い。(六七歳・女性)

 国保の保険料の支払いがたいへんで、いま分納している状態です。サラリーマンの時はまだ良かったのですが。五年 前に事業を始めたけれど収入が少なくて、家を売ったりね。市役所には、電話をしたり行ったり実情をわかってもらうように心がけて、短期保険証から一年のも のにしてもらいました。医療費も辛いですね。風邪ぐらいでは病院に行きません。(五九歳・女性)

 三割負担、倅(せがれ)がかわいそうね。高齢者医療制度? 今だって介護保険の負担がたいへんなのに? 困る。(七〇歳・女性)

 五〇歳過ぎて血圧が高くなってね。八四〇円だったのが一三〇〇円くらいに。薬代も同じ。気分の問題だけれど高い ね。三割以上は困るね。うちの会社は定年後も働けるけれど、その場合は健康保険も年金保険も「自分でやってくれ」という世知辛さ。兄が医者なので知ってる けど、負担増は病院の収入にならないのですね。診療報酬も下がっているし、国庫に入るわけか。医者に行くと一方的に検査されたりするけれど、医者と患者の コミュニケーションが大事ですね。(五八歳・男性)

健康チェックの醍醐味!!

人との“ふれあい”楽しい
  本田昌也さん(船橋二和病院健康友の会・副会長)
 医療生協に学んで、99年の国際高齢者年のときから、この場所で始めました。毎年14ブロックが最低1カ所はやろうと決めています。千葉は今日14カ所 で実施しています。外に出ることで自分自身を活性化したり、ふ れ あ いが 楽しい。病院の患者でない会員が増えます。友の会員の「これならできる」という気持ちや、知恵を出し合って行うことが大事です。地域を知っている強みで開 拓して、今回大型スーパーの店で実施したブロックもありますよ。

はじめはとまどいました
  新入職員:広木芳行さん(理学療法士)、根本穂高さん(診療放射線技師)
 入職して7日目の2人は、技術職の新入職員の研修の一環として参加しました。「人がたくさん来て、はじめは気持ちが引いてとまどったけれど、始めたら大 丈夫でした。疲れたけれど」「人と話すのは好きですが、知らないこと質問されて困った……」「イラクの署名は反響あったね」「医療費のことがあるから大勢 立ち寄ったんでしょうね」「高齢の人は体のこと気にしている」「血圧計3台では足りなかったね」と口ぐちに。

店主と協力し“健康”まちづくり

兵庫民医連

【神戸=東郷泰三通信員発】
「ただいま無料健康チェックを大日六丁目商店街東入り口付近でおこなっています。お買い物のみなさんもぜひ、ご利用下さい」と、商店街会長さんのアナウンスが定期的に流れます。
 ここは、JR新神戸駅南東部、神戸健康共和会・柳筋診療所近くにある「大日通六丁目商店街」。
 東神戸医療互助組合の「健康チェックを地域に広げたい」という要求と、商店街の「まちを活性化させたい」というおもいがひとつになり、空き店舗を利用した「健康チェック活動」が継続されています。
 県連共同組織委員会・連絡会では、「まちづくり」のとりくみの一つとして見学をしようと、全国一斉行動と連動する三月二五日、各法人から参加者を募り、見学に行きました。
 当日は、葺合北支部の組合員と、柳筋診療所の職員あわせて八人が参加し、体脂肪測定、血圧測定、健康相談に。次つぎと買い物客が訪れ、二〇人が「健康チェック」をしました。
 商店街では、少しでもまちを活性化させようと、小学校の学外学習や修学旅行生の市場見学会、商店街独自の創作民話づくりなど様ざまな努力を続けていますが、健康チェック活動をはじめ共同組織の活動が

「まちづくり」に貢献しています。


 

高齢者に新たな高額保険料の負担

(編集部)

 「七五歳以上の高齢者(後期高齢者)だけで独立した保険制度を新たにつくる」という内容がもりこまれた医療制度抜本改革の「基本方針」が、閣議決定(三 月二八日)されました。介護保険とあわせて、保険料だけでも毎月一万円以上の負担が高齢者に課せられる恐れのある改悪です。○五年の国会に関連法案を提 出、○八年度実施が目指されています。

*  *  *

 この新たな高齢者医療保険制度開始に伴い、老人保険制度と、退職者医療制度は廃止されます。その財源は保険料と国と地方自治体からの公費負担、現役世代 が加入している各医療保険からの支援、でまかなうとされています。
 これまでは扶養家族として保険料負担のなかった高齢者・約二三五万人(二○○七年時点で)からも、新たに保険料を徴収。保険料は試案段階で「一人あたり 平均で月七二五〇円」という試算(昨年末)が。介護保険料(六五歳以上の平均が二九〇〇円。さらに四月からは平均三三〇円の値上げ)とあわせると、高齢者 には毎月一万円以上の高額な保険料負担が発生することになります。
 ちなみにこの試案ですすめられた場合、七五歳以上の負担は全体で年間三〇〇〇億円増え、そのぶん国の負担は四〇〇〇億円も軽くなります。
 この高齢者の保険制度をめぐっては、「高齢者にこれ以上過重な負担はできない」と反対していた坂口力厚労大臣でさえ認めた代物です(九六年八月二六日  衆院厚生委員会・小泉厚生大臣への質問)。
 六五~七四歳の人(前期高齢者)は、国保や健保などこれまでと同じ医療保険に加入、医療費の負担について保険間で財政「調整」するとされています。実際 は、財政基盤の弱い国保に、サラリーマンらの組合健保などから財政支援するということで、国の財政負担は予定されていません。

*  *  *

 あわせて全ての都道府県が反対しているのが、各保険の運営をそれぞれ都道府県単位に再編・統合するという項目です。政府管掌健康保険もなくし、国は医療 保険の運営から手をひき、都道府県に押しつける構図です。

(民医連新聞 第1306号 2003年4月21日)