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民医連新聞

民医連新聞

私たちの手で医師育て 協同組織と医学生が交流/愛知

共同組織と医学生が交流-愛知-

 「やっぱり医者は私たちで育てていかないとね」…。愛知民医連では、共同組織と医学生、職員の交流 会を行いました(2月8日)。医学生は共同組織から地域の状況や患者の思いを、共同組織は医学生から大学教育の状況や学生の思いを聞き、交流し、「共同組 織といっしょにすすめる医学対」のとりくみをすすめたい、というものです。共同組織は県内すべての法人(5法人)から、奨学生、担当職員あわせて約20人 が参加しました。この顔ぶれで交流を行うのは初めてのこころみでした。

(木下直子記者)

 全員の顔合わせの後、奨学生から、映画会や、韓国平和ツアーの企画など、いきいきと活動している奨学生会議の様子が報告されました。つづいて行われた分散会では、日ごろから医師に対して気になりながらも、なかなか言えなかった思いがつぎつぎ飛び出しました。

*  *

 「医師の人気のあるなしは外来を見れば一目瞭然。人気のない医師はどういう風に感じているのか?」などの 「素朴な疑問」をはじめ、「訴えを本当にきいてくれているか不安になることがある。患者の言葉を反復できる医師が良い」「就職して三年くらいは患者サイド の苦情もきくが、それ以降は『医師の裃(かみしも)』を着て、『苦情を言う患者はわがまま』とみなす医師がいる」「民医連の医師だからこそ、限りなく能力 を出して、自分を発掘する努力をしてほしいと思っている」との期待・要望まで。

 奨学生が「ぼくらは様ざまな運動に接する機会がない世代です」「心通う医療ができるようになるための教育は、学校ではやらない」と、現在の医学生の実情を語ると、一気に話題は医師養成に。

現役医師が「地域を愛せる医師に仲間になってほしい。今日の集まりもそのためにもっています」と訴え、医師 になるまでにかかる沢山の学費の問題、医師が互いに批判しあう関係づくりが苦手な傾向にあることなどを紹介していくと、「今の若い人は良い面も悪い面もあ ります。医学生のつどいで知り合えた医学生たちは、話してみると良い子ばかりだった」「やっぱり医者は私たちで育てていかないとダメなんですね」という納 得の発言が。

 「先生たちにも苦しいことや、悲しいこともあるかも知れない、そんな時は私たちもいっしょに泣きたい」という暖かい言葉も出されました。

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 「『奨学生は金の卵だ』と励まされてうれしかった。緊張したけれど、楽しかった。自分が民医連の奨学生に なって知ったことを周りの学生にも少しでもひろげたい」「医師が増えないと、解決できない問題も多いと思った。患者さんの立場にたって同じ思いで医療を目 指す人を増やすことが、僕たち学生にできることかな」というのが、奨学生2人の感想です。

 愛知民医連では、2001年から、共同組織とつくる医学対活動を模索してきました。また、前年夏に同県で ひらかれた「医学生のつどい」で、10カ所の地域フィールドを設け、医学生と共同組織員が接する機会をもちました。医療生協の専門委員会の中に医学生対策 の部門をつくって活動する法人も生まれています。同県連では今後も模索をつづけたい、としています。

(民医連新聞 第1303号 2003年3月11日)