自民党議員の民医連へのひぼう中傷発言に抗議する
-全日本民医連が緊急記者会見-
6日の衆院予算委員会で、自民党議員が全日本民医連を誹謗・中傷する発言をしました。これに対して野党四 党は「内容が不適切」として抗議、謝罪を要求。この問題で全日本民医連は、同日七時から緊急記者会見を実施。全国の職員・共同組織からも怒りの声が続ぞく 寄せられています。
全日本民医連の会議室で行った記者会見には、肥田泰会長、工藤トミエ副会長、長瀬文雄事務局長が出席し、同日の自民党議員の発言に対する見解を発表しました。
肥田会長は、「日本国内での医療事故は、82カ所ある特定機能病院の調査だけでも(2000年4月~02年2月)1万5000件の報告があり、あたかも 民医連の医療機関だから事故が起きたとする同日の西野議員の発言は「極めて異常なもの」と指摘。
また「医療事故はあってはならない」との立場で民医連が事故防止につとめていること、不幸にして起きた事故に対しては、徹底的に再発防止にとりくんでい ることを発言。12月に理事会が発表した「『医療事故』『事件』と私たち民医連の立場」を紹介し、西野議員が名指しした四病院で行われている徹底糾明と再 発防止のとりくみ、全日本民医連として行った全国病院長会議、安全モニターや各プロジェクトのとりくみを報告しました。
会長はさらに、医療事故を防止することは、国民の共通の願いであり、医療機関が全力でとりくむべき課題だとのべ、それを民医連にたいする誹謗にすり替え た自民党議員の質問は、一部政党の党利党略を意図したものと指摘。また、民医連として特定政党の支持を強制することは一切ないと同時に、職員には、憲法の 定める政治活動の自由を保障している、とのべました。
野党4党も批判
自民党議員の発言について、日本共産党、民主党、自由党、社民党の野党四党は一致して抗議、謝罪を求め、発言議事録の一部削除を求める文書を提出しました。
衆院予算委員会の理事会は、6日昼に会合を開き、西野議員の質問問題で協議しました。民主党理事も「特定政党への卑劣な攻撃で、撤回すべきだ」「特定政 党への誹謗中傷は許せない。事実内容を示す資料も出していないのはルール違反だ」と主張。他の野党の理事・委員も同様の立場で一致しました。
同委員会の藤井孝男委員長は「各議院において、無礼の言を用い、または他人の私生活にわたる言論をしてはならない」と決めた国会法一一九条を引用し、「議事録を精査し、適切な対応をする」と述べました。
削除を求めたのは、「民医連系の医療機関はあらゆる選挙で日本共産党を支持し、活動している」「医療事故を起こしながら、手抜き検査をしながら、死亡事 故も起こしながら、政治活動や政党活動だけは露骨に行っている」と述べている箇所です。
同理事会は質問の中で特定の政党を誹謗中傷することをやめるよう与野党で申し合わせていました。西野議員の質問はこれにも違反しています。
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これに関連して7日、日本共産党の志位和夫衆院議員は、前日の西野議員の発言を厳しく批判しました。堺市の設置 した調査班で耳原総合病院の指導援助にあたった本田武司阪大教授が報告書に述べた言葉を紹介。「まじめに自主公表し、教訓を広げようとする病院を犯人扱い 報道では、今後院内感染や医療事故を自主公表しようとする医療機関はでてこなくなる」。これは、マスコミだけでなく政治にも求められられる姿勢だと指摘し ました。