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民医連新聞

民医連新聞

合い言葉は「いつでも、どこでも、どんな小さなことでも」

学生・市民がボランティア案内役 北海道勤医協

愛媛・新居浜協立病院・業務改善コンクール

 愛媛県新居浜市は人口13万人。新居浜協立病院は内科、整形、精神科など12科を診療する、111床の病院です。昨年1月にリニューアルを終え、病棟の 半数を療養型病棟に。医療改悪にも対応しながら日夜大奮闘中です。同院で年2回行われている「業務改善コンクール」のとりくみを業務改善委員会の向井至さ んに寄せてもらいました。

 当院では5年前に、院内業務改善委員会を発足させました。各職場から改善委員を選出し「職場改善について」の学習会を始めました。着眼(問題把握)、着 想(方法)、着手(実施)を学び、改善実施の原理、原則にすえることにしました。そして、これまで職場内だけで行われてきた改善活動を、病院全体の共有に し、運動化することに。「いつでも、どこでも、どんな小さなことでも」を合い言葉に、各職場の改善活動を促進。当院として「業務改善大賞コンクール」を年 二回開催し、実施できた改善をエントリーすることにしました。

全職場からエントリーが
 コンクールを始めた当初は、15~20件のエントリーしかなく、職場も、内容も偏っていました。それでもあきらめず、改善委員が職場に呼びかけを続け、 回を重ね、職場での学習をすすめていくうちに、エントリーが増えてきました。どこの職場からも手があがるようになり、全職場からのエントリーに。内容も、 患者様へのかかわりを中心にしたものや、職場間にまたがる改善が増えるなど、変化してきました。
 02年度1回目、7月のコンクールは、「一職員一改善」を目標にしました。全職員が改善活動に参加した「目標達成職場」には、特典もつけました。その結 果、全職員130人から106件のエントリーがありました。目標にはわずかにおよびませんでしたが、常勤職員だけでなく、非常勤職員のエントリーも多く寄 せられ、新たな広がりを見せました。
 コンクールの概要を紹介します。応募期間は1カ月です。各職場で出されたなかから、各職場が自ら「改善大賞候補」を推薦します。職場の全員が参加した 「目標達成職場」からは2件の候補を挙げます。改善委員が審査委員をつとめ、着眼、着想、着手に、それぞれ5点を配点し、15点満点で採点し決定します。
 「改善大賞」をひとつ決定し、5000円を贈呈。次点となった大賞候補には「アイデア賞」を授与し、2000円を贈ります。その他は、「よく思いついた で賞」(1000円贈呈)と「参加賞」(500円贈呈)です。賞金は部署費や社保カンパとして使われているようです。

職場間の連携ひろがる
 改善コンクールを継続することによって、常に職員が現状の業務内容を振り返り、意識して改善へつなげるようになりました。またこの運動を通して、新たな 職場間の連携が広がっています。小さな業務改善が集まって、厳しい医療情勢のなか、安全・安心の医療、院所の経営、職員の生活を守っていける職場がつくら れます。改善がまた新しい改善を生み出しています。

(向井至、診療放射線技師)


改善大賞
「経管投与の達人」薬剤科
 経管栄養チューブから薬を投与する場合、これまで薬剤を粉砕し、溶かしていました。粉砕すると本来の薬効が低下したり、粉砕に時間がかかったり、不都合がありました。
 そんな時「経管投与ハンドブック」(じほう社)という本に出会い、薬剤をつぶさずに、55℃程の湯に溶かす「簡易縣濁法」を知りました。これを採用し、調剤時間が節約でき、看護師の手間が省けました。

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チューブに薬を入れるときの薬の溶かし方
今まで、粒の薬は、溶かしやすくするためにつぶしていました。しかし、多くの薬は錠剤のまま、水に溶けます。
溶かし方(簡単です)
  1. カップに、ポットのお湯2に対して、水道水1を入れます。
  2. そこに、薬1回分を入れます。
  3. 10分ほどほっておくと、薬は大体溶けます。カップの底に、薬が残った場合には少しかき混ぜてください。
  4. 溶けた液が、少しさめたらいつも通り、チューブから入れてください。注入したあと、チューブを水で洗い流しておくとよいです。

(民医連新聞 第1299号 2003年2月1日)