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民医連新聞

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医療改悪に反撃/ 「地域にでよう」と、1万人(目標)訪問中/「協同基金」おしだし

 12月に入っても引きつづきとりくまれている共同組織強化発展月間。福岡医療団・千鳥橋病院は1万人総訪問行動を12月15日まで展開します。「地域協同基金」と結合した大きな目標を掲げ、青年も積極的に参加している訪問に同行しました。

(鐙史朗記者)

 今日は、病院から1キロほど離れた馬出(まいだし)町の市営住宅の約20件のお宅を回ります」。
 11月20日午後、友の会員2人と職員3人が集まり訪問に出発。留守が多い中、あるお宅では、部屋の中まで招き入れられました。
 病棟管理課の稲村増子さんと増谷朋子さんは「調査票」にそって質問しながら話をすすめていきます。「医療改悪が行われたことはご存じですか?」「体調で 気になることは?」「病院を受診して不満に思ったことは?」「新病院、特養建設、診療所の増築についてのご要望は?」の四項目。これは誰でも訪問活動に参 加できるように、組織部で考えたものです。
 その家の人は「医療改悪ね。困るけど、仕方がないなあ」。「病院は待ち時間が長いね」など苦情も出ましたが、終始和やかな雰囲気で対話。

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 「千鳥橋病院周辺は、低所得者、生活保護の患者さんが多く住む地域です。千鳥橋病院を受診する患者さんの 20~25%が生活保護世帯。医療改悪で打撃を受けている人も多く、病院がささえになる必要がある」と共同組織部長の平田孝さんは話します。「職員は、病 院に閉じこもらないで、いま『地域へ出かける』必要がある」。
 「地域へでよう」の提案は8月の病院管理会で決定しました。目的は3つです。?03年10月に竣工する新病院などの四次長期計画について意見を聞き、計 画をささえる資金を獲得しよう。?医療改悪に対して活用できる制度を知らせ、外来患者数を回復しよう。?医療改悪凍結の署名をすすめ、共同組織でともに運 動する人を増やそう。
 全日本民医連の共同組織強化発展月間にあわせ、期間を9月17日から12月15日に設定。目標は2万件の訪問、1万件の対話、全職員の参加で、新会員700人、協同基金の新規獲得2700万円です。

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 今年のとりくみの特徴は青年職員の変化です。昨年は五時以降の活動に「手当」をつけたにも関わらず参加が少数でした。しかし今年は「ボランティアだ」といっても積極的に参加。
 副事務長の有松秀也さんは「とりくみに際して、民医連や職員の役割、民医連らしさ、誰のために医療活動をするのかなどをよく論議したことが意識変化をつくった」と理由をあげます。
 11月20日現在、職員677人のうち参加総数318人。3267件訪問し、1287件で対話。新会員は100人の増加。協同基金は1200万円が新たに集まりました。
 共同組織と協力、2~3人のグループで約2~30件を毎日訪問しています。

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 今回記者といっしょに訪問した増谷朋子さんは新入職員です。
 「在宅酸素の患者さんが、いままで一回850円だったのに8000円以上に跳ね上がった、と腹を立てて入院窓口に怒鳴り込んできたんです。息子さんの入 院費を出すために生命保険を解約して払った患者さんもいました。自分だったらどうだろうと思うと…。腹が立つだろうな。許せないだろうな。私も何かの形で がんばりたいと思った」と話しました。


解説 「地域協同基金」とは
 「地域協同基金」は全日本民医連第34期第2回評議員会で「共同組織の人々の拠出による安定的で無利子の資金を幅広く結集する」ことを目的に打ち出され ました。その条件は(1)無利子(2)共同組織構成員からの拠出(3)規定がある(4)退会したとき返却(5)拠出者の運営参加保障(6)借入金計上。

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 福岡医療団の「協同基金」は一口1000円。これに賛同し応募してくれた人が「友の会員」となります。このしくみは、共同組織と相談し提案。総会で確認されました。
 同法人が「協同基金」を設けた理由の一つは、第四次長期計画を成功させるためです。療養病床を持つ新病院建設、80床の特別養護老人ホーム建設、診療所を増築し、病院外来を移動するなどを柱にする計画で、総資金は約44億円です。
 この計画で集める「協同基金」は、2006年までに6億円の目標に対して、現在2億2000万円に到達しています。
 もう一つの理由は、財務の改善策です。98年に債務超過となり、その教訓から2006年までに自己資本比率を16%にする目標です。そのうち八%は経常利益で、八%が協同基金で調達する予定です。

(民医連新聞2002年12月11日/1295号)